Twitterの有料サービス、Twitter Blueに新しいサービスが加わる。The Washington Post、Reuters、BuzzFeedなどの記事が広告無しで読めるようになるようだ。
Twitterは、今年初め、書き手がニュースレターを作って配信できる課金システムシステムの会社、RevueとScrollを買収した。
この2社の買収をきっかけにしてできたサービスがTwitter Blueだ。Twitter Blueに契約すると、広告の入らない記事サービスの契約が可能なことと、ブックマークの整理や一旦出したツイートを取り消せる機能が利用できる。費用は、これを全て合わせて月額3ドルだ。ただし、有料の記事サービスは追加で課金される。
このTwitter Blueは、今のところ、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの限定サービスとなっている。Twitterは今後の展開については何も発表していない。日本でも利用可能になるのだろうが、時期は当分先だろう。
すでにTwitter Blueは7月から開始されているが、その契約人数等は発表されていないため、Twitterのユーザがこれをどのように受け入れているのかよくわからない。しかし一般論として、基本的に無料だったものが、ブックマークが整理できたり、ツイートを取り消したりや、追加の費用を支払う有料サービスの契約ができるだけで3ドルを払うのはハードルが高いと感じる。
Twitterが、有料課金サービスを加えたいと言う意思はよく理解できる。広告ビジネスにサブスクモデルを加えたビジネスモデルが最強だからだ。
そのために今回のThe Washington Post、Reuters、BuzzFeedなどの記事が広告なしで読めると言うのは方向性は間違っていない。ただし、このラインナップで、どれだけの、ビジネスが拡大できるのか不明だ。いや、むしろあまり強くないメディアだから、契約者が急拡大する可能性は少ない。
大手メディアは、すでに自社で広告モデルとサブスクモデルを組み合わせたサービスを行っている。Twitterの力を借りようと思わず、ビジネスが可能になっていると思われるので、参加したい大手メディアは少ないだろう。
Twitterが有料のニュースレターを配信できる2社を買収したときに、感じたことだが、ある一定のフォロワーを持つ書き手の有料ニュースレターを配信するというのが戦略の中心であると思う。ロングテールでたくさんの書き手を集めて大量生産薄利多売が基本のビジネスだ。
しかし、この分野も既に多くの競争者がいる。最近もニューヨークタイムスが有料ニュースレターを拡大すると言う戦略を発表したばかりだ。こちらは、ニューヨークタイムスと言うブランド力があるので契約者と書き手を引っ張ってくる可能性が高い。
Twitterのほうも、現在の利用者の中には、特定の書き手のファンがたくさんいて、それでビジネスが成り立つと思われる。多分その方向でビジネスは進んでいるのであろう。著名なメディアも加えたいと言うことでやっと契約できたのが先の数社と言うことかもしれない。
日本でも、Noteのように有料で記事を販売するビジネスが出てきている。だからTwitterも有料ニュースレターのマーケット進出は正しい。しかし、足を引っ張るのはTwitterのイメージだ。やはり短い記事を短い時間でさっと読むと言う印象が強い。Twitterからニュースレターに行って読むにせよ、じっくり何かを読むと言うイメージとは合わない。今後、Twitterの有料モデルの足を引っ張る可能性があるのは、このイメージの問題だ。