Metaの投げ銭プログラム

by Shogo

ソーシャルメディアは、ユーザーの投稿してで成り立っている。プラットフォーム側は、場所を提供して、ユーザーの投稿を待っているだけだ。そして、投稿が増え、ユーザーの注目が集まって、長い時間をプラットホームの上で過ごすと、広告の機会が増えて、収益が上がる。

このために、プラットフォームは、ユーザーに投稿を促したり、アルゴリズムでユーザーの好みのコンテンツを表示し、長い時間引き止めようとする。

元FacebookのMetaが、このところ議会やメディアで叩かれているのは、公共の福祉に反してでも、投稿を増やし、視聴時間を稼ぐたために、そのアルゴリズムを変更しなかったことだ。つまり広告の販売のために、問題が起こる可能性に目をつぶって、投稿を増やすことを優先したのだ。これは、内部告発者の証言でアメリカ議会で公な事実となっている。

プラットフォーム間の争いは、また投稿者の争奪戦になっている。TikTokやSnapchatのような動画共有プラットフォームの台頭で、有力な動画コンテンツの投稿者であるインフルエンサーと呼ばれるような人については、プラットフォーム間で取り合いになり、各プラットフォームは、有力なクリエイター・投稿者を惹きつけるために様々なプログラムを用意している。

Metaも、その争奪戦に参入している。Metaの基幹アプリであるFacebookは、近年ユーザーの老齢化やTikTokやSnapchatと言うショートビデオ共有アプリの台頭で力を失いつつある。この状況を変えるためにFacebookに様々な機能を追加したり、プロモーションを実施している。1つは、TikTokやSnapchatと全く同じ短い動画を投稿できるReelsを追加したことだ。この機能を使って、動画のコンテンツを増やそうとしている。

今回さらに、クリエイター・投稿者を囲い込むプログラムを開始した。動画の投稿者に対して、今までは企業向けだったPagesの機能を開放した。この機能により動画投稿者は収益の機会を得るとともに、視聴者とのエンゲージメントを高めるツールが使えるようになる。

さらに、要件を満たした動画投稿者には、毎月35,000ドルを与えるプログラムも開始した。この金額については、要件の詳細が発表されていないのでわからないが、かなりの視聴回数が得られる投稿であれば、広告で稼ぐ収益は莫大となり、それに比べれば35,000ドルと言うのはあまりにも少ない。

さらに投げ銭のようなStarプログラムをを開始した。これは動画や音声投稿者がライブ配信を行っているときに、視聴者が投げ銭ができる機能だ。視聴者はStarを購入して、ライブ配信者に送ることができる。ライブ配信者は、1Starについて1セントが支払われる。このプログラムは世界の多くの国で実施されているが、現時点では、その中に日本はまだ含まれていない。視聴者が購入するStarの価格は、25 Starで16ドル97セントのようなので、配信者よりMetaの取り分の方がはるかに大きい。これでは、ストリームミング配信者が怒らないかどうか心配になる。

ソーシャルメディアの中心は、動画コンテンツに移り、それもYouTubeのような長尺のものではなく、TikTokの短い動画コンテンツが主流だ。短い動画が、ユーザーが求めているもののようだ。長い動画をゆっくり見ると言う事は、スマホを日常生活の合間で使う生活スタイルに合わなくなってきているのだろう。長い時間をかけて何かを楽しんだり、学んだりと言うような事は誰も望んでいないようだ。

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