アメリカの広告業界では、デジタルOOH(out of home、アウト・オブ・ホーム)広告が注目を浴びていると言う。アメリカは車社会なので、特に高速道路沿いのOOH広告は注目度が高い。
テレビ広告は、今までの広告の王様だった。多くの人に、最も安く広告を到達させることができた。しかし、近年はNetflixなどの定額映像配信サービスやウェブメディアに時間を取られ、広告メディアとして今までのような効果は期待できなくなってきている。
そこでインターネット広告とともに注目が集まっているのがOOH広告だ。それも今までのOOH広告ではなく、デジタルOOH広告。デジタル技術を使ってパワーアップしたOOH広告が注目されている。
デジタルOOH広告は、フルモーションの映像が表示できる。この点がまず従来のポスター型のOOH広告とは違っている。しかし重要なのは、動画広告になっただけではない。ネットワークにつながることにより、インターネットの運用型広告と同様に入札で購入して、すぐに広告の露出をすることができる。
また顔認証を使って、広告を表示することも可能だし、クッキーや端末識別番号を使って、ターゲティングやりターゲティングも可能となっている。
これが可能になったのは、1つには大型の液晶ディスプレイが安価になったことや、ネットワークにつながっていることが理由だ。
日本でもOOHのデジタル化が進んでいる。街や店舗内外に、デジタルのディスプレイが設置され、広告メディアとして使われるようになってきた。
従来は、交通広告と言えば中吊りが大きな位置を占めていたが、スマホの普及で中吊り広告の注目度が下がり、今や中吊りを見ることも減ってきた。しかし、動画の広告であれば多少は注目度が高いため、徐々に車両内のディスプレイに表示される動画広告が交通広告の中心になっている。
交通広告OOHの問題点は、制作費や設置・撤去の問題であったが、デジタルであればそれが解消される。
日本でもアメリカと同様にデジタルOOHの運用型取引が始まっている。電通とサイバー・コミュニケーションが、Googleの広告プランとホームGoogle Marketing Platformを利用して、都内の屋外収益のデジタルサイネージの自動的な広告売買・配信を行っている。今後、これの参加デジタルOOHが増えてゆくと予想される。
デジタルOOH使って、スマホの広告を位置情報をターゲットにした広告配信することにより、OOHとスマホの広告が連動する。これは、大きな効果が期待できるだろう。
最初に書いたように、テレビ広告への接触率が低下する中、デジタルOOHは、インターネット広告と連動させることにより、さらに重要なメディアになっていく。