消費者庁が、アフリエイト広告の規制に乗り出すと言う。アフィリエイト広告は、ブログやウエブページなどを使って、商品やサービスについての個人の体験や見解を口コミの形をとって、紹介して、商品が売れた場合に、そのページの制作者が報酬を受け取る広告の形態だ。
電通が発表している日本の広告費では、2020年に、この成果報酬型広告の市場は985億円あり、インターネット広告媒体広告費1兆7,567億円の5.6%を占めている。
通常の広告であれば、誇大広告などを規制するために、景品表示法や、医薬関連であれば、健康増進法と薬機法に基づいて制作される。
しかし、アフリエイト広告における制作は完全にアフリエイト広告の仲介業者と契約をするアフリエーターと呼ばれる個人が制作をするために、そのような法律の知識を欠いたまま制作されるケースが多いのではと想像される。
消費者庁によれば、アフリエイト広告を利用しているのは11,000社程度の広告主だと言う。サイト数は600万ほどあり、成果報酬や手数料合算した市場規模は3,000億円に達すると言う。この数字は成果報酬や手数料などを含めたの市場規模であって、電通の発表している媒体広告費を遥かに超えた金額になっている。
アフリエーターは、SNSやウェブサイトを作って簡単に始められるために、個人が副業で行っているケースも多い。しかし商品によっては、一件あたりの成果報酬も大きくなるケースもある。クレジットカードの契約では万円単位の報酬が得られるケースがあると聞いている。
この報酬を得るために、アフリエーターは商品の効果を誇大に表現して、購入を煽るケースもありトラブルも多いと日経新聞には書かれている。
消費者庁が取り締まりを強化し、消費者庁の示す指針に従わない場合には、広告主の責任を問う方針だと言う。
個人的には実態はわからないが、アフィリエイト広告の仲介会社から、商品の紹介を受けた後は、特にその制作したページの内容や表現の確認を仲介会社や広告主が行っていないのではないかと思われる。このため関連する会社は、アフリエーターが勝手にやっていると言い逃れする可能性もある。このために消費者庁は、景品表示法を適用してアフリエイト広告の制作者であるがアフリエーターや広告主、仲介会社を対象として取り締まりを行う。さらに、広告の管理や苦情の受け入れ体制の構築も含めて、広告主に結果責任を問う方針だと言う。
この方針については、偽の口コミに騙される消費者を守るために、とても良いことだと思うが。問題は600万もあるサイトやブログを管理する事は難しい。広告主に苦情受付を求めるのではなく、消費者庁に苦情受付や通報窓口を設ける方が効果がある。
アフリエイト広告は成果報酬型のために、広告主にとってはリスクが低く、市場としても伸びている。しかし制作者が、個人であるために、広告会社なら行うような法令遵守や広告制作の基本の教育がなされていないところに問題がある。これについてはアフリエイト広告を仲介する会社が、協力をしてアフリエーターの教育を行うことから始めてみたらどうだろうか。