パ・リーグのNFT事業

by Shogo

2021年はNFT元年だ。AdidasとNIKEのNFTの取り組みのことを書いたばかりだ。さらに、昨日は、プロ野球のパ・リーグがメルカリと組んでNFT事業に乗り出すと言うニュースが流れた。

パ・リーグのマーケティング部門パシフィックリーグマーケティングが、パリーグの名場面動画をNFT化して販売すると言う。スポーツの映像を活用したNFT事業は日本初だ。このビジネスの名称は「パ・リーグ Exciting Moments β」で、2021年の18プレーをNFT化する。価格は2000円から2万5000円だそうだ。「β」というだけあって、まだ完成形ではないということのようだ。

パ・リーグだけではないが、一般に公式映像のダウンロードを禁止されている。しかし、実態としては無数にダウンロードされて、保有している人が多いと思われる。ただしそのような映像はSNSにあげたりというように使ったりできない。NFTで購入したこの公式の画像はSNSでシェアもできるようだ。NFTにより個人の所有権が証明できるからだろう。

しかしながら、購入したNFTの再販は、現時点では認められていない。パリーグは、純粋にプロモーションや話題作りをしているということのようだ。やはり再販のマーケットがないとNFTとしての人気は出ないであろう。記事中では、今後の検討になっていた。

アメリカのNBAは、NBA TOP SHOTという、選手のプレーのNFT化されたデジタル映像カード事業を立ち上げている。そこで、NBA選手の映像をNFT化されたトレーディングカードとして販売している。

人気選手のカードは1,000万円以上の値段がつくものはある。この背景には、やはりアメリカのトレーディングカードの文化が大きい。コレクタブル・カードと呼ばれ、NBAだけではなく、野球、フットボール、ホッケーのすべてのプロリーグの紙のトレーディングカードには長い歴史がある。その文化の上に、デジタル資産としてNFTトレイディングカードが登場したため、人気を集めている。

当然、収集すると言う目的はあるが、それが再販マーケットにおいて、オークションで高値で取引されるとなると、投資目的での購入もあり、そのために価格がつり上がる。

マネーロンダリングに使われる可能性もあるため、取引の際の本人確認などの手間も大きいのだろうが、今まで売れなかったような映像が高値で販売できる事は、収入源としては貴重なものだ。プロモーションにもつながり、収入の一部が還元される選手も含めて関係者全員にメリットがある。

日本のプロ野球も、過去の名選手も含めて、その映像をNFT化するビジネスが考えられる。セ・リーグも含めて、過去の映像も含めてNFT化を検討すべきだ。そしてその際には再販のマーケットを立ち上げて、そこでいつでも売却できる仕組みが必要。ただし、問題は、日本にはトレーディングカードを集めると言うような文化がないため、このNFTのデジタルカードがどれほど人気を集めるか不明なため、事業の立ち上げには二の足を踏むことになるかもしれない。そこは今回のメルカリのように、ビジネスの可能性を考えるIT企業のパートナーを見つける必要がありそうだ。

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