Apple TV+がスポーツコンテンツに参入か

by Shogo

AmazonやDAZNがスポーツコンテンツ獲得に大金を叩いているが、ここにApple TV+も参入するようだ。

20世紀のテレビは、無料の地上波テレビだった。それが21世紀には、広告の入らない有料の定額配信サービスが新しいテレビになっている。Netflixの契約者が2億人を超えたのは、コロナ禍で加速したが必然だった。

この業界トップのNetflixに追いつくために、様々な事業者が、独自コンテンツを武器に市場に参入している。それぞれ、目玉のコンテンツ獲得に躍起だ。

アメリカの調査会社のデジタルTVリサーチによれば、これからDisney+が伸びるようだ。この会社の予測によれば2026年までに、Disney +がNetflix追い越すと言う。2026年にDisney +の契約者数は2億8420万人に達する見込みだと言う。その時点でNetflixは2億7070万人でDisney+に追いこされている。ちなみにAmazon Prime Videoは2億4340万人の見込みだ。この3社の合計で、重複が一部あっても、世界の人口の約10%が有料の定額映像配信サービスに契約をしていると言うことになる。世界の人口で、有料のサービスを購入する層の上限が何%かよくわからないが、複数契約者も多く見込めるために、もう少し市場には余地があると考えられる。そこにスポーツコンテンツのDAZNや映画コンテンツのHBO Maxが戦いを挑んでいくわけだ。

この市場には、Appleも参入している。Apple TV+として、今までのところあまり目立たずに、あまり成功していないのか契約者数も発表していない。一部報道では、有料契約者2000万人、Apple製品購入者のフリートライアルが2500万人とも推測されている。

iPodの発売の際にはiTunes Storeで音楽ビジネスを大きく変えたAppleだが、映像配信に関しては大きく出遅れていると言える。自らの市場と定義していなかったためなのか、あまり積極的な投資を行ってこなかったようだ。現時点でも、製品の購入者にフリートライアルが付いている程度であまり積極的なプロモーションも行われていない。また、一応オリジナルコンテンツも揃えているがラインナップを見ても特に話題になっているようなものもない。

先の予測を発表しているデジタルTVリサーチによればApple TVは、2026年の終わりまでに3600万人の契約者を獲得すると見込まれている。つまり大手3社から比べると桁違いと言うことだ。

Netflixは年間2兆円程度のコンテンツ投資を行っている。そのような額の投資に比べるとApple TV+の投資額は、コンテンツの充実度から見る限り少ないと思われる、ありあまるキャッシュを持つAppleがあまり投資を行わないと言う事は、あまり本気ではないと言うことだろうか。一応やってます程度のビジネスなら早く撤退するに限る。

というふうに以前から思っていたが、投資会社のWedbushのレポートによれば、契約者獲得のためにコンテンツ投資をこれから積極的に行っていくと言うことだ。そのレポートの中では映画スタジオの買収も検討して、やめたとも書かれている。ただしスポーツのコンテンツに関しては積極的な投資を行うとWedbushは予測している

Netflixは、以前にF1の放送権ではなくF1を丸ごと買収するのではと言う噂もあったが、現時点ではスポーツコンテンツについてはまだ本格的に取り組んでいない。Amazon Prime Videoは、今年9月から配信されることが決まっている、映画の「The Lord of the Rings 」三部作の前日譚の「The Lord of the Rings: The Rings of Power」などオリジナルコンテンツにも積極的だが、スポーツ放映権獲得にも大きな投資を行っている。サッカーのプレミアリーグの放送も引き続き行うことが決まり、新たに10億ドルを払ってNFLの木曜日の試合の独占権も獲得した。

このスポーツの放送権の獲得競争に、Apple TV+も参入するとWedbushは伝えている。

Apple TV+は、既にMLBとシーズンの試合の放送権について交渉している。また、NFL Sunday Ticketの放送権25億ドルについても興味をして示しているとも伝えられている。さらに、NBAやNASCARとも交渉しているようだ。

すでにメジャーなスポーツの放送権は争奪戦になっているところに、キャッシュを持つApple TV+が参入するとなると、ますますその購入金額は跳ね上がる事は間違いない。やはりスポーツのコンテンツは、このような契約者獲得競争においては目玉となるコンテンツだからだ。

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