Microsoftがゲームソフト会社を買収

by Shogo

Microsoftがゲームソフト会社の  Activision Blizzardを約700億ドルで買収する計画を発表した。Activision Blizzardは、Activisionとフランス資本のVivendi Gamesが2007年に合併してできた会社で、当時は、この合併によってエレクトロニックアーツを抜いてゲームソフト業界一位の会社となった。Call of Dutyや Candy Crushなどの人気のあるゲームソフトのラインアップが充実していて、そのソフトは、ゲームセンターの大型機器からモバイル端末まで様々な機器で使われる。Microsoftもゲームソフト開発部門があるが、この買収により、ゲームソフトが一気に充実する。

1,300億ドルものキャッシュを持つMicrosoftにとって、700億ドルと言うのは出せない金額ではない。Xboxのゲーム部門があるが、基本的にはビジネス対象の会社のイメージが強いMicrosoftが、このゲームソフト会社の買収で、一般消費者向けのビジネスに進出する足がかりとする意図があるのだろう。

ゲームの市場規模を調べてみると、Newzooという会社の予測にでは、2023年までに世界のゲーム人口は30億人に達するという。しかも、ゲームソフトはインターネット接続をできるゲーム機器や携帯電話までカバーしている。この巨大な消費者市場を、事業拡大のプラットフォームとして利用できる事は大きい。

そういう意味で、この買収には3つの意味がある。1つはActivision Blizzardのユーザーと言う巨大なデータベースであり、もう1つはCall of Dutyや Candy Crushを始めとするActivision Blizzardが持つ人気コンテンツのライブラリーである。そして最後は、昨年より話題になっているメタバースへの足がかりだ。

Microsoftのゲーム部門の最高責任者は、インタビューで、メタバースがどのような形になるにせよ、ゲームはメタバースを実現する最も重要な要素になると話している。これは、確かに事実だ。Epic GamesのFortniteの中で米津玄師などがコンサート行ったように、ゲームは現在1番メタバースに近いところにいる。

今回の買収により、Microsoftはテンセントとソニーに次ぐ第3位の売り上げを持つゲーム会社となる。Activision Blizzardの人気ゲームソフトをXbox専用にして、ソニーのPlay Stationから乗り換えさせて、顧客を奪うと言うようなことも可能になる。

そのような方法で、Microsoftがコンテンツを利用するかどうかわからないが、少なくともXboxのコンテンツを充実させて、Xboxビジネスの拡大することができるだろう。しかし700億ドルもの投資を行うと言う事は、単にゲームビジネスだけを考えていないことは確かだ。

このゲームのプラットフォームを生かして、Microsoftの消費者ビジネスの拡大を図るのが大きな目的だと思われる。30億人かどうかは別にして、オンラインゲームを行う若い世代が今後のビジネスの主戦場であることは間違いなく、そこでの戦いのための切符を購入することが、Microsoftの意図だと思われる。今のままのビジネスソフトの会社では、そのような一般の消費者から見向きもされないからだ。

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