ロシアのウクライナ侵略が始まって以降、燃料価格を中心に価格が上昇し、世界的にインフレ懸念が高まっている。しかし日本の問題は、それ以前からだ。経済の低迷で賃金が上がらず、出口の見えないデフレの状況が長く続いている。そこへ、この円安である。世界各国がインフレ懸念から金利を上げ始めた一方、日本ではまだ金融緩和が続いている。これではますます、円安が進む可能性がある。そうなるとエネルギーを始めとする各種の輸入品が値上がりすることになる。今後、円安の問題に対応するために、日銀もどこかの時点で金利を上げる事が予想される。そうなると教科書で見たスタグフレーションが現実化する。
総務省が発表した2021年の家計調査によると、2人以上の1世帯の月額消費支出は279,024円で、実質前年から0.7%増加している。これまでは感染症の拡大で消費は低迷していたが、2021年は支出が増加していると言う結果になっている。これは消費マインドが戻ったと言うより、インフレの始まりかもしれない。
賃金が上がらず、物価だけが上がる状況の中で我々は生活の防衛のために様々な対応を求められる。そのようなことを思っていたら、ちょうどデジタルテクノロジー関係の支出を抑える方法と言う記事を読んだ。
もはやインターネット接続やスマートフォンの利用とそれに伴うハードウェアのコスト等はライフラインの1つとなっている。これを完全に止めることはできないが、少しでも節約できる方法についてと言う記事だった。しかしながら、見出しにつられて読んでみると、あまり根本的な解決にはならず、費用を少しずつ節約しようと言う事のようだ。。
釣り記事のようなタイトルからは、しょぼい内容だが紹介してみよう。
最初は、サブスクリプションをコントロールしようと言うことだ。ネット上には様々な見たいものが増えており、オンラインサービスは独自のコンテンツを売り物にしている。見たいもののサービスをどんどん契約をすると月額の支払いはすぐに何倍にもなってしまう。DAZNやNetflix、 Disney+などいくつも契約をしていないだろうか。多分契約をするときにはそれぞれの魅力あるコンテンツにつられて契約をするが気がつくといくつもの契約になってしまう。月に5000円増えると年間で60,000円と言うことになる。
ここは、見たいものを見てしまったら、早めにキャンセルすること勧めている。それで、見たいシリーズやイベントを見た後でキャンセルを忘れないようにするために、リマインダーをセットしておいた方が良い。キャンセルを忘れて継続することになると、その分の費用が増加する。
自分も、有料課金のアプリで、全く使わなくなったもののキャンセルを忘れて1年分支払ってしまうと言うようなことが何度もある。もっとも最近の例で言えば、情報整理のためのサービスを、EvernoteからNotionに変えたものの、Evernoteをキャンセルしないで、次のサイクルに入ってしまうと言うことを、2年繰り返した。
記事では、キャンセルを忘れたりするようなことが多いので、利用しているサービスが増加することを防ぐために、例えば6ヶ月ごとに契約しているサービスを見直して、使用していないものについてはキャンセルすることを勧めている。これは、不要なサービスを見直す良い方法だ。毎年、1月と7月は、サブスク見直しの時と決めておくのだ。
クラウドストレージも同じだ。これも多くの人が様々な理由でいくつかのサービスを使っていることが多い。Apple関係でiCloudを契約をしてそれ以外にDropboxやOneDriveを使うと言うような事だ。これも使用方法を見直して、契約を1つにすることを勧めている。1つにまとめて容量を増やした方が節約になる可能性がある。
次は通信料だ。固定のインターネットとワイヤレスの契約があるが。これについても費用を削減することを考えてみる。特に携帯通信会社は廉価のセカンドラインを開始して、安めの料金プランを提供している。欠点は、サポート等が受けられない事だ。だが、iPhoneを使用しているのであればAppleのサポートを受けられるし、使用するスマホのハードウェアのメーカーのサポートを受ければ良いので、この点はあまり問題ではない気がする。
大手のセカンドライン以外にも、大手の回線を借りているMVNO事業者の通信サービスもある。そのサービス内容やプランなどもよく検討してこちらに乗り換えると言う方法も料金節約の1つの方法だ。
次は、そして最も大きい要素は、ハードウェアの買い替えに注意すると言うことだ。次々と新しいチップが出たり、機能が向上したモデルが出る。これにいつも対応しているとお金が続かない。多くの場合は、ハードウェアは長く使えるものだ。今は持ち出し用に使っているMacBook Airは10年使っているが、通常の作業を行う上では特に問題がない。
費用を節約すると言う事では、買い替えに慎重になると言う事が最も節約になる。ただスマホについては記事の中ではバッテリーについては2年ごとに交換することを勧めていた。
また、記事では、買い換える時にもその時点の最新モデルではなく、いわゆる型落ちを購入することが、費用を大きく節約できる方法として挙げている。
デジタル製品は、以前から続くムーアの法則のように、日々進化を遂げている。これを常に追いかけていくと、お金がいくらあっても足りない。仕事として、あるいは趣味として常に新しい機器を使わないといけないと言うことでない限り、その買い換えをよく考えるというのが、生活防衛の1つの方法のようだ。
ロシアの侵略行為や、それに端を発したエネルギー危機、日本の今後の問題など暗いニュースばかりで、明るい未来など全く見えない状況だ。せめて、毎日使うスマくらい買い換えて気分を変えてみると言うのもわからないでもない。それに、節約を考えるのは、デジタル関係だけではない。他の領域でも自分のお金を使う方法と目的を考えることも必要なのだろう。