Googleが、また3rdパーティクッキーの廃止を延期

by Shogo

Googleがサードパーティークッキーの廃止の時期を再び延期して2024年の後半と発表した。

クッキーは、ウェブサイトを訪問したユーザのブラウザに小さなファイルを保存して、ユーザの特定のために使われる。このクッキーのおかげで、再度サイトを訪問したときに、入力したログイン情報が保存されているので便利に使える。この技術を使って広告を配信するシステムが、サードパーティークッキーだ。

サードパーティーとはサイトをまたいで他のサイトでもユーザを特定するために、こう呼ばれる。対して、特定のサイトだけで使われるクッキーはファーストパーティクッキーだ。

インターネット広告の急速な成長は、サードパーティークッキーによる。サードパーティークッキーにより、ブラウザを特定し、その行動履歴等に基づいて最適な広告を配信することができる。このために広告の効果は非常に高い。

しかし、多くのインターネットユーザからは、同じ広告に別のサイトでも追いかけられるなどプライバシーについての疑念が生じることになった。Appleはこのプライバシーに対する懸念に対応するために、2017年からサードパーティークッキーの制限を段階的に始め、 AppleのブラウザのSafariからは完全に排除されている。またファーストパーティークッキーも7日間しか有効でない。AppleはさらにiPhoneのプライバシーポリシーを変更してユーザの行動履歴等の共有について、アプリ使用時に同意を求める形式に変更している。これにより、ほとんどのユーザは情報共有しないことを選んでいると言う。

Appleは、端末やコンテンツなどをユーザに販売するビジネスモデルで、広告収入を得ていない。だからこそ広告の効率性などあまり全く考慮していないので、ユーザのプライバシーを最大限に考えた仕様を採用している。

しかしGoogleは世界最大のインターネット広告事業者である。サードパーティークッキーにより広告の有効性が毀損することになるとGoogleが築いてきたエコシステムが完全に崩壊することになる。そのために、Appleを追って、2022年にサードパーティクッキーを廃止すると発表したが、その後何度かにわたって延期してきている。

今回の発表では2024年の後半まではサードパーティークッキーが使えることになる。これまでも、クッキーを使わずに、個人のプライバシーを保護する方法で、広告の効率性を高める方法についてはGoogleを始め多くの企業が技術を発表してきているが、まだ決定的なものはない。今回の延期も、代替する確実な技術が確立していないことが理由だ。

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