アサヒスーパードライが、シティー・フットボール・グループとスポンサーシップ契約を結んだ。この契約で同グループの傘下にある4チームのオフィシャル・ビール・パートナーとなった。
シティーフットボールグループは、多数のサッカーチームを保有あるいは資本参加しているが、その中でも特にメジャーな4チームが参加している。イギリスのマンチェスター・シティFC、日本の横浜F・マリノス、オーストラリアのメルボルン・シティ、そして中国の四川九牛足球倶楽部だ。
チームの選択は、多分アサヒビールの戦略的に重要な地域を選んで決めたものと思われる。リーグ・アンのトロワACは、選ばれれても良さそうだが、フランスだから入っていないのだろう。それぞれのチームのホームの試合では、アサヒスーパードライが、オフィシャル・ビールとして販売されるであろうし、会場にも広告などの表示される。契約金額を発表されていないが、かなりのものとなると思われる
アサヒビールは、2023年にフランスで行われるラグビーワールドカップのワールドワイドパートナーにもなっている。それまで長くラグビーワールドカップのスポンサーであったハイネケンは、フランス大会からは降りている。これは想像だが、フランスでは、スポーツの会場ではアルコール類は販売できないために、ハイネケンはメリットがないと判断して降りたのではないかと思われる。つまりハイネケンは、ラグビーワールドカップは、ビールの販売と言う面でメリットがあっても、広告やブランディングのためのイベントとしては考えていなかったと言うことだ。ハイネケンとワールドラグビーの取り組みわからないが、アサヒスーパードライが、2027年のオーストラリア大会でも継続できるのか、あるいはハイネケンが何らかの取り決めをして1回お休みをしているだけなのかよくわからない。
それにしても、今まで国際的なスポーツイベントのスポンサーといえば、工業製品中心だった。例えばパナソニック、キャノン、東芝、富士フイルムなどの電機系かトヨタなどの自動車系が代表的だ。
アサヒスーパードライのイギリスにおける存在感はかなりのものである。ロンドンで仕事をしていた時に、パブに行くとロンドン中心部ではビールの注ぎ口の1つがアサヒスーパードライになっていることが多く、同僚も普通にアサヒスーパードライを飲んでいた。スーパードライが人気なので、その名前をパクった「Superdry 極度乾燥せよ」というファッションブランドの店がたくさんある。
そのようなことを考えると、日本の企業もこれからは工業製品にとどまらず飲料や食品など、今までスポーツマーケティング利用してこなかった企業が今後はスポーツマーケティングを活用して事業を拡大すると言うようなことがあると喜ばしい。