ある日思ったこと

by Shogo

ある時に、ある外交官と食事をしながら長い時間、話したことがあった。

最初はたわいないお互いの仕事や私生活のことだったのだが、そのうち彼の言ったことがどこかを刺激して思考が停止した。彼は戦火の真っ只中の中東の国で働いて政府を代表して大きな借款で大きなプロジェクトに関わったそうだ。だが、本当に一生懸命やったのは返済のいらない小さなプロジェクトで、学校にトイレを作ったり戦争未亡人のための職業訓練施設を作ったという話だった。

聞いているうちに自分が悲しくなった。なんと小さいのかと自分のことを考えたのだ。彼は戦争が行われているその国で、返済の要らない資金を集めて、トイレのないことが理由で学校に行かない子供のために学校にトイレを作り、教育がないために未亡人になった後に生活の術がない夫人のために職業訓練学校を作るために奔走していたというのだ。

そして、今のように情勢が悪化した後になっても近日中に中東に戻ってその仕事を再開したいとというのである。話しながら自分が恥ずかしくて顔を上げられなくなった。政府の小役人と思いながら仕事をすることもあるが、日本にはこんな人もいるのだと誇らしいい気持ちにもなった。

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