CDはもはや過去のものになるのだろうか。私自身、ストリーミングサービスに加入して以来、CDを手にすることはほとんどない。家には300枚以上のCDが積み上がっているが、それらはほぼ飾り物となっている。CDをラックから取り出してケースを開けてCDプレイヤーに入れると言う作業そのものが面倒になってしまった。ストリーミングサービスであれば、スマホからアプリを選んで検索すれば、すぐに聴ける。
ストリーミングサービスの利便性は圧倒的で、スマホ一つで瞬時に音楽を楽しめる。今はメインがApple Musicだ。Amazon Musicもプライム会員特典として利用できるが、アンリミテッドプランには加入していないため、選べる楽曲は限られているのであまり使わない。Spotifyは契約をやめてしまった。
IMSビジネスレポート2023によると、音楽ストリーミングサービスの市場は非常に競争が激しく、Spotifyがリーダーで30.5%のシェアを持っている。それに続くのはApple Musicの13.7%、Tencent Musicの13.4%、Amazon Musicの13.3%、YouTube Musicの8.9%、NetEaseが6.1%、Yandexが2.2%、 Deezerが1.5%と続く。
これらのデータから見える驚きの一つは、Spotifyのシェアが意外と低い点だ。音楽ストリーミングは、1990年代に始まり、Napsterがその先駆者だった。しかし、著作権問題で2001年にサービスは終了。
その後、2008年に登場したSpotifyがこのビジネスモデルを確立した。NetflixでSpotifyのビジネスの立ち上げの話を興味深く見たが、その当時著作権をクリアしてネットで音楽を流すと言う事はかなり難しいことだった。それをレコード会社を巻き込んでSpotifyはやり遂げたわけだ。ネットの世界の常識であれば、勝者の総取りだが、音楽ストリーミングは違っている。Apple、Amazon、YouTubeなどが、既存のプラットフォームを活用して、音楽ストリーミングに参入して急速にシェアを拡大している。それは、音楽というアーティストの作品を配信するだけで、独自コンテンツがないからだろう。
IMSビジネスレポートで、Tencent Musicのシェアが13.4%というのも興味深い点で、中国の人口の多さが影響している。今後も、さまざまな分野で人口を背景にしたサービスが世界的な競争力を持つのだろう。また、YouTube Musicもシェアを急速に拡大しており、今後の市場はますます競争が激化しそうだ。
2023年現在、音楽ストリーミングサービスの利用者は全世界で10億人以上、日本国内でも1,200万人以上となっている。この数は、CD離れでさらに大きくなるだろう。