イーロン・マスクとサム・アルトマンはOpenAIの共同創設者だったが、現在はAI開発の方向性を巡って対立している。マスクはOpenAIが営利企業になったことやAIの安全性に懸念を示し、OpenAIを提訴している。一方、アルトマンはOpenAIの独立性を維持し、マイクロソフトとの提携を強化している。この対立は、AI開発に大きな影響を与えている。
そのような背景が影響しているのかどうかは分からないが、イーロン・マスクのxAIは、AI開発に力を入れている。今回、新たなAIモデル「Grok 3」を発表し、話題になっている。報道によれば、Grok 3は、人間のような推論能力を持つと報道されている。
従来のAIモデルは、大量のデータを学習することで、特定のタスクをこなすことに長けていた。しかし、Grok 3は、学習したデータに基づいて、自ら考え、推論する能力を獲得したとxAIは言っている。これにより、数学、科学、プログラミングといった複雑な問題を解決したり、ユーザーの質問に対して的確な回答を生成したりすることが可能になったそうだ。つまり、より人間に近づいたということのようだ。
Grok 3には、その推論能力を活かした様々な機能が搭載されている。その中でも注目すべきは、「Think」と「Big Brain」の2つの機能だ。「Think」は、数学、科学、プログラミングといった複雑な質問に対して、Grok 3の推論能力を活用して回答を生成する機能である。一方、「Big Brain」は、さらに複雑なクエリに対応するために、追加の計算資源を必要とする機能である。これらの機能を利用することで、ユーザーは、Grok 3の高度な推論能力を最大限に活用することができるという。
また、Grok 3の推論能力は、「DeepSearch」と呼ばれる新しい検索エンジンにも活用されている。DeepSearchは、インターネットやX(旧Twitter)上の情報を分析し、ユーザーの研究クエリに対して簡潔な要約を提供する。これにより、ユーザーは、膨大な情報の中から必要な情報を効率的に見つけ出すことができる。Xのデータを活用できることも、Grok 3の強みの一つだろう。
Grok 3は、推論能力とリアルタイム性に優れており、DeepSearchによる情報収集力も注目されている。だが、Geminiも、Googleの技術力を背景に、多様な機能とGoogleサービスとの連携で強みを発揮する。また、ChatGPTは、自然な文章生成能力とDeep Searchによる情報収集力が強みだ。
どのモデルが優れているかは、利用目的や重視するポイントによって異なるだろう。例えば、最新の情報に基づいた回答を求める場合はGrok 3、多様な機能を求める場合はGemini、自然な文章生成能力を求める場合はChatGPTが適していると考えられる。
xAIのGrok 3は、人間のような推論能力を持つAIモデルとして、大きな注目を集めている。それが評判通りなら、AIの進化は、社会に様々な影響を与える可能性がある。