Perplexity Deep Researchが登場して話題になっている。Perplexity Proでは自由に使え、無料版のPerplexityでも一日に5度使える。使ってみたが、体感的に良さがわからなかった。個人的には、Perplexityを一番使っているのでファンなのだが、「深い調査」なのか分からなかった。
Perplexity Deep Researchは、AIを活用して、ユーザーの質問に対して複数の情報源から情報を収集・統合し、包括的なレポートを提供する機能だ。従来の検索エンジンとは異なり、単なるリンクの羅列ではなく、文脈を理解した上で情報を整理し、洞察を提供する。だが、これは従前のPerplexityと同じで、「深い調査」を行っているのか、使った結果からは違いが分からない。
それで、Hacker Newsを見てみると、コメント欄でPerplexity Deep Researchに対する評価は賛否両論だった。そして、私と同じように、その「深さ」さを疑問視する声も少なくない。
Perplexity Deep Researchへの肯定的な意見
Perplexity Deep Researchを評価する声としては、以下のような点が挙げられていた。
- 構造化されたアプローチ 複数の情報源から得られた情報を整理し、レポート形式で提示してくれるため、情報を効率的に把握できる。
- Google検索の代替 従来のキーワード検索よりも、文脈を理解した検索結果が得られるため、Google検索の代替となり得る。
- 特定トピックの詳細情報 例えば、「Amiga 500のサウンドチップが特別な理由」といった質問に対して、詳細かつ技術的な情報を提供できる。
- 無料での利用 OpenAIのDeep Researchが有料であるのに対し、Perplexity Deep Researchは日に5回だが無料で利用できる。
Perplexity Deep Researchへの否定的な意見
一方、Perplexity Deep Researchの「深さ」に疑問を呈する意見も多く見られた。
表面的な情報収集:
- 「真の洞察がなく、単なる強化版検索エンジンに過ぎない」
- 「権威あるように聞こえるが、中身がない」
- 公開されている情報しか参照できず、有料の情報源や独自のデータにはアクセスできない。
- 複雑なクエリ(例:Fortune 100 CEOの出身大学と専攻のリスト作成)には対応できない。
- 専門家にとっては既知の情報ばかりで、新たな発見がない。
OpenAIのDeep Researchとの比較 Perplexityは処理速度が速いが、OpenAIの方がより深く、正確な情報を提供する。
ビジネスモデルへの疑問:
- 現状ではVC資金に依存しており、持続可能なビジネスモデルが確立されていない。
- 広告掲載などにより、検索結果の質が低下する可能性がある。
参考文献の提示方法:
- 単なる情報の寄せ集めであり、真に分析された参考文献とは言えない。
また「ディープリサーチ」という名称の妥当性を問う意見も多くあった。「ディープリサーチ」という名称は、Perplexityだけでなく、OpenAIやGoogle (Gemini) など、複数の企業が類似の機能に使用して、その存在感は薄れてしまっている。
Hacker Newsでの議論からは、現状のAIリサーチツールは、真の「深い」調査能力にはまだ到達していないという意見が多い。しかし、OpenAI、Google、Perplexityといった企業がAIを活用した検索エンジンの開発競争を繰り広げていることは事実であり、時間はかかっても今後の進化に期待が持てる。
現時点では、Perplexity Deep Researchは、AIを活用したリサーチツールとして一定の評価を得ているものの、その「深さ」については賛否両論ある。特に、専門知識を持つユーザーにとっては、現状では物足りないと感じる可能性が高いようだ。個人的にもPerplexity Deep Researchを使ってみて、従来のPerplexity や他のAIサービスとの違いがよく分からなかった。