スーパーリーグが3年以内にスタート?

by Shogo

世の中にはあまり想像できないようなことがあるものだ。その一つはスーパーリーグがまだ生きていたと言うことだ。

昨年2021年に計画が発表されて、大きな話題となり、批判もされて、3日後に中止が発表されたスーパーリーグの構想がまだ生きていて、3年以内に立ち上げる計画だという。サッカー界からだけではなく、マクロン大統領や当時のジョンソン首相からも含めて、多くの批判があったために完全に計画が死んだものと思っていた。

実はそうではなくて、運営主体となる予定の会社、A22 Sports Managementは現在も存続していて、今週新たにCEOが任命された。新たなCEOの前職はドイツのメディア企業のRTL Deutschlandだそうだ。

スーパーリーグの運営会社が存続しているのは、ユベントス、バルセロナ、レアル・マドリードの3クラブは現在においてもスーパーリーグの創設に意欲的だからだ。

スーパーリーグは、現在のUEFAチャンピオンズリーグに取って変わることを目的として、入れ替えのない固定的な20クラブで争われるリーグとして発表された。スーパーリーグに参加すると、その年の成績に関係なく、固定的に出場することができるのでクラブにとっては大きな収益を安定的にもたらす。しかも、スーパーリーグは、参加チームに34億ドルの参加ボーナスを約束し、優勝賞金も3億9230万ドルと高額だった。

発表時には、スペインからはレアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリード。イングランドからは、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、リヴァプール、チェルシー、アーセナル、トッテナム・ホットスパー。イタリアからは、ユヴェントス、インテルナツィオナーレ・ミラノ、ACミランが参加を表明した。どのクラブもヨーロッパの名門の有力クラブだ。この12クラブに追加の8クラブを加え、最終的には20クラブで開催される計画だった。しかしながら、各方面からの批判を受けて、イングランドクラブがすべて撤退を表明すると、イタリアなどの国のクラブもそれに続き、計画そのものは、正式発表後の48時間で中止に追い込まれた。

UEFAチャンピオンズリーグの主体のUEFAは、ビジネスの組織ではなく、サッカーの普及とヨーロッパでのサッカーの全体的な利益を守る組織である。そのUEFAと超人気サッカークラブの利害がぶつかるのは当然のことである。

しかし、中心となっている3クラブは、企業体として自クラブの利益だけしか考えていないために正しい判断をしているのだろう。だからあれほどの批判があっても、まだあきらめないと言うのは資本の論理からだけ見れば驚くに値するじゃないのかもしれない。記事を読むまでは、大反対の中でたった3日で計画が撤回された状況で、二度と復活する可能性がないと思っていた。

中心となっている3クラブは、UEFAの独占的な経済システムから出して、自由に試合運営を行えば、今より大きな収益を得られると考えている。そして、それは正しい。有力クラブが参加するスーパーリーグは、人気が出るであろう。参加クラブは、ヨーロッパの他のサッカーの利益分配を考えずに良いために、企業体としてのクラブはより多くの収益を手にする。

新に任命されたCEOは、3年以内にスーパーリーグを立ち上げると言明した。しかし詳細については語っていないので、以前発表された計画のように34億ドルの参加ボーナスと高額の優勝賞金等が現時点での計画のかどうかわからない。しかし、固定された出場枠については現在考えているものではなく、その時点の実力によるスーパーリーグへの出場は適当と考えていると発言している。固定の参加クラブではなく、多少の変更を考えているということのようだ。でも、それではUEFAチャンピオンズリーグと大きく変わるものではない。そこを、どうするのだろう。

A22 Sports Managementは、欧州司法裁判所に提訴している。それは、UEFAがスーパーリーグに参加したクラブを罰することができるかどうかについてだ。この判決を待ち計画を進める予定という。つまり、この欧州司法裁判所の判決が本当に3年以内にスーパーリーグが立ち上がるのかどうかな決める。

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