イチローの米国野球殿堂入りのスピーチを読んだ。ユーモアと配慮の行き届いた素晴らしいピチーチだ。そして、彼の信条であろうことも含まれていた。それは、以下のテキストだ。
In order to make your dream your goal, you must be honest in thinking about what is important to achieve it.
イチロー
彼のスピーチには多くのストーリが含まれていた。彼が所属した3つの球団のことや、今回の殿堂入りについても彼に投票しなかった記者の言及でストーリーを付け加えた。それもユーモアを交えて。
ストーリーの力とは、事実を単に伝えるだけでなく、そこに感情や文脈を加えることにある。彼のスピーチを読んで、ヘミングウエイの「For sale: Baby shoes, never worn」を思い出した。
この6語の短文は、ストーリーが持つ力を示したものだ。たった6語で深い悲しみのストリーを感る。イチローのスピーチも同じように、彼の人生とMLBで軌跡を短く語りながら、深い意味と強い意志を感じる。彼の語る半生に、その背後にある、多くのストーリーが見え、彼への共感が深まる。
彼のスピーチが感動的なのは、彼の偉大な記録の背後にある、そのストーリーを想像させるからだ。そのストーリーは、心を揺さぶり、感情的な結びつきを生み出す。ストーリーは、事実を感情と結びつけ、記憶に残る形で伝える機能を持つのだろう。今でも毎日練習を欠かさいことや野球道具を大切にすること、野球のために人付き合いを二の次にすることなど、逸話は多い。それも、彼がスピーチの中で言った「what is important to achieve it」から出た行動なのだろう。
映像でも殿堂入りのセレモニーと彼のスピーチを見ながら、多分1994年に行ったクーパーズタウンの野球殿堂のことを思い出していた。