YouTubeが収益化条件緩和

by Shogo

YouTubeは、急成長するTikTokへの対抗策として、動画投稿者の収益化のハードルを下げる方針を決めた。

今までのルールでは、ユーチューバーは収益化のために、視聴者が4000時間以上を見て、少なくとも1000人のフォロワーがいる必要があった。このルールを緩めて多くの人がYouTubeから収益を得られるように変更することが決まったようだ。具体的には、ルールの変更は来週発表されることになっている。木曜日に行われたYouTube社内の会議の音声録音が、なぜか流出しているようで、今回のルール変更はこの社内会議で明らかにされている。

YouTubeは2005年2月に設立されて、その翌年2006年11月にGoogleに16.5億ドルで買収された。その後、2007年8月に私たちが見るような動画広告が導入されている。

これはパソコンでのバナー広告から、インターネットの動画広告の時代が始まったことを意味していた。スマホ時代になってインターネットの世界では動画広告が中心になっている。

YouTubeでの動画投稿者とGoogleがその収益を分け合う仕組みが導入されたことで、多くのユーチューバーが登場した。動画の投稿者は、広告収入の55%を受け取り、これがYouTubeのコンテンツの充実と、その結果としてのYouTubeの普及につながった。

動画共有サイトの雄としてYouTubeは君臨し続けてきた。その後、Snapchatが登場したり、FacebookやInstagramがReelsを始めたりしてYouTubeに挑戦してきたが、YouTubeの地位は揺るがなかった。2022年現在YouTubeには25億人の月間アクティブユーザがおり、毎日視聴されるビデオの数は50億と言うことだ。1日にアップロードされるビデオは720,000時間分。

この圧倒的な強さを誇るYouTubeに、やっと競合が出てきた。中国資本で米国に進出したTikTok。TikTokは短いフォーマットの動画で、スマホに最適化された縦型の画像と仕組みを採用している。動画に音楽をつける機能が加わっており、簡単にミュージックビデオのような動画が作成できることが売りだった。

当初は10代の若者向けのダンスビデオのアプリと考えられていたが、すでに動画共有サイトとしては、多くの世代に使われる。

TikTokは2016年9月にDouyinとして中国でサービスを開始した。翌 2017年にはアメリカの企業Musicaly.ly買収して、中国以外の市場向けにビジネスを開始していた。2020年4月現在月間アクティブユーザ数は10億人を超えている。

他のソーシャルメディアが長い時間をかけて10億人を達成したが、Tik Tokは短い時間でそれを達成した。Instagramは10億人ユーザを達成するまでに7.7年かかってより、Facebookは8.7年だった。TikTokより短い時間で10億人を達成したのはFacebook Messengerだけだと言う。

このTikTokのユーザ数はTikTokの双子の兄弟である中国国内向けのDouyinは含まれていない。Douyinは6億人を超えるデイリーアクティブユーザ数がいるため、これを合計すると全世界では16億人と言うことになる。ユーザは広がり、YouTubeの競合に育っている

この状況に対応するために、YouTubeは短いフォーマットで、Tik Tokのようにスマホに画面が最適されている縦長動画のフォーマットであるShortsを 2020年に立ち上げている。YouTubeが来週発表するルールの変更は特にこのShortsの関するルールかもしれない。

先の会議の出席者の1人は、Shortsでは従来の広告収入の投稿者への分配が、55%から45%に変更される計画だと発言している。

圧倒的な強さを掘ってきたYouTubeだが、プラットフォームがパソコンからスマホに移ったことにより、新しいアプリの競合にさらされている。広告収入の分配だけではなく、各社とも実際に投稿者にお金を払う仕組みも導入しており、優良なコンテンツの投稿を行うクリエーターの囲い込みが今後激しくなりそうだ。

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