検索行動と集合知

by Shogo

インターネットが普及して、その後スマホを使うようになって、情報行動は大きく変わった。何かわからないことがあると、すぐにスマホで検索して、その答えを知ることができる。まさにマクルーハンの言う通り、脳の拡張としてスマホとインターネットが第二の脳の役割を担う。

検索エンジンは、当初のYahoo!のような手動登録のディレクトリ型から、ロボット検索が主流となり、この中からGoogleが覇者として生き残った。このために検索で何かを調べることを「ググる」と言うよになっている。

やはりGoogleが主流とであるが、日本ではYahoo!JAPANが強いので、Yahoo!の検索も使われる。しかし、裏で動いてるのはGoogleの検索エンジニアので結果的にほぼ同じ内容が表示される。この検索行動も発展して、今は目的に合わせて使い分けられるようになってきた。

Googleでの検索の目的は主に知識や事実を調べるような場合に使われるケースが多い。だが、何かを買おうとするのであればGoogleで調べるのではなく、楽天やAmazonで最初から検索をするするのが普通になっている。

何か事件が起こって状況を知りたければ、リアルタイム性の強いTwitterが検索する場だ。Googleも以前は検索リアルタイム検索の機能があったが今は止めている。Yahoo!の検索にはリアルタイム検索が含まれており、ここではTwitterも対象になっているのでこれも、今起こっていることを調べるのには便利なツールとなる。

検索行動が定着してきた結果、様々なプラットホームを使うようになってきた。それが、ソーシャルメディア だ。単なる知識や事実ではなくて、何か目的があって検索する場合には、多くの人はソーシャルメディアを使って検索するようになってきているのが傾向だ。

例えばどこかにランチに行きたいときに、Googleで検索することもできるが、その場合には得られる情報はそのレストランのホームページだけだったりする。しかしInstagramやFacebookで検索をすると、実際に行った人の経験やコメント、場合によってはリアルタイムに近いような新しい日付のものを見ることができる。

知りたいのは、そのレストランの基本的な情報ではなく、他の人がどのように評価したか、どんな経験をしたのか、今どういう状況なのか、店が撮った演出された写真ではなく、実際はどのような雰囲気なのかなどを知りたいのだ。

それから、何かノウハウを知りたければ、YouTubeが検索の場になる。実際に手取り足取り詳しく教えてくれる動画がたくさんアップされている。私の場合でも、例えばPhotoshopの使い方は、ほとんどこれで学んだと言ってよい。

やはり今後の検索は、動画検索が中心になると思われる。Googleもこの状況考えて検索結果に、動画を含めるようになった。その結果として検索にTikTokの動画が上位に上がったりする。もちろん自社の系列のYouTubeShortsも検索結果に含まれている。

検索と言えばGoogleと言う古い頭の高年齢ではなく、若者はTikTokで次々に動画を検索して、最適な動画を見つけて必要な情報得る。TikTokも検索機能を充実させるために現在は検索機能と位置情報機能を充実させようとしているようだ。

いつ書かれたかわからないような古いテキストの情報を見るより、最新の動画を見た方が知りたい情報の現在の状況がわかる。若い世代は、次々と新しい使い方を生み出してゆくのだろう。道具はどんどん進化していくが、それ以上に進化しているのが、使い方だ。頭の固い私など、動画共有サイトが、情報源になると言う発想はなかった。

やはりインターネットの強みは、無数のユーザがコンテンツをアップロードし、ロングテールのように繋がることだ。コンテンツのその中の1つが、世界のたった1人に人にとって必要な情報になるということがある。世界中の何十億人単位の人が結びついて、情報交換することができるようになった意味は大きい。

このようなことを考えていると、昔読んだフレデリック・ブラウンの短編を思い出した。その小説の中では、遠い未来に、広く宇宙の無数の星に移住した人類が、コンピューターネットワークを築いて、宇宙にまたがる情報を集約する1つのコンピュータを作った。その際に最初にそのコンピューターに聞いた質問は、「神は存在するか」だった。そして、宇宙にまたがる巨大なコンピュータは答えた。「もはや存在する」。

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