数日前に日経で日本のクリスマスソングのランキングを見た。1位は山下達郎の「クリスマス・イブ」だった。山下達郎は1970年代のシュガー・ベイブの時代から好きだったので、アルバムを全部買っていた。そのだから「クリスマス・イヴ」もクリスマス以外の時にもよく聴いていた曲だった。
それが、発表からかなり経って、JR東海のCMで使われたことで大ヒットした。そのCM「シンデレラ・エクスプレス」も大きな話題となったことを思い出す。その後、「クリスマス・イブ」は、クリスマスソングの定番として、毎年この時期にはどこかで必ず聞く曲になった。それでも、この曲を聴くとクリスマスではなく、どこか高速道路を走っていることを思い出すのは、車でよく聴いていたからだろう。
日本のクリスマスソングは山下達郎の「クリスマス・イブ」だが、世界のクリスマスソングの人気もSpotifyの再生回数として発表されていた。1位はマライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」。これがなんと今年の12月21日現在の過去1年間で13億回も再生されている。2位がワム!の「Last Christmas」。こちらも10億回の大台に乗っている。どちらも80年代・90年代の古い曲だ。3位には2010年代の新しい曲が入っていた。アリアナ・グランデの「Santa Tell Me」。これが7億回を超えている。
全体の順位は以下のようになる。
- 1位 マライア・キャリー 「All I Want for Christmas Is You」1994年 1,349
- 2位 ワム!「Last Christmas」1984年 1,053
- 3位 アリアナ・グランデ「Santa Tell Me」2014年 773
- 4位 マイケル・バーブレ 「It’s Beginning to Look a Lot Like Christmas」2012年 747
- 5位 ブレンダ・リー 「Rockin’ Around the Christmas Tree」1958年 694
- 6位 ボビー・ホームズ 「Jingle Bell Rock」 1957年 672
- 7位 アンディ・ウイリアムス 「It’s the Most Wonderful Time of the Year」1963年 611
- 8位 ジャスティン・ビーバー 「Mistletoe」2011年 586
出所:Spotify 単位は100万回
キリスト教圏ではクリスマスが最大のホリデーシーズンだから、その際の音楽も様々たくさんある。ボブ・ディランでさえ2009年に「Christmas In the Heart」と言うアルバムを発表しているくらいだ。
しかしSpotifyのランキングでは、新しいのはアリアナ・グランデ、マイケル・バーブレ、ジャスティン・ビーバーくらいで、それも10年近く前のヒット曲だ。しかも、1950年代、1960年代の曲もランクインしている。この2曲は、もはやスタンダードで定番中の定番で外せないのだろう。この季節に刷り込まれた音楽だ。それを新しい曲は乗り越えるのは難しい。
新曲が登場しないのは、クリスマスに合わせて曲を発表すること自体があまりにもコマーシャリズムなのでアーティストの発想にないのかもしれない。Bob Dylanのアルバムの際には、私でさえ呆れた。