MetaがTwitter Blueを真似る

by Shogo

Metaは、オーストラリア・ニュージーランドに続いて、アメリカでも、FacebookとInstagramの有料の認証アカウントサービスを開始した。これは、すでにイーロン・マスクがTwitterで始めたように、アカウント名の横に認証済みという青いチェックマークが入る。このサービスはMeta Verifiedと呼ばれ、料金はウェブが月額11.99ドルモバイルが月額14.99ドル。

このサブスクリプションサービスに申し込むことにより、アカウントには青いチェックマークのバッチが表示され、なりすまし防止策が強化されるとともに、顧客サービスへ直接アクセスをすることができるようになるそうだ。

現時点では、このサブスクリプション・サービスは、ウェイティングリストに参加して、18歳以上であることが条件となっている。本人確認プロセスでは、政府発行の写真付きIDの提供が必要になると言う。このサービスは、現時点ではニュージーランド、オーストラリア、アメリカ合衆国だけだが、近日中に他の国にも拡大されるそうなので、日本でも導入されるのだろう。

このプログラムは、Twitter Blueの8ドルの有料サービスのを完全に真似したものと言える。多くのソーシャルメディアサービスは、基本的には広告モデルでビジネスを行ってきた。それがTwitterを始め、Snapchatも同様の有料サービスを導入している。Metaもこれに続くことで、広告付きの無料サービスであったソーシャルメディアにも転機が来ているようだ。

そのきっかけは、AppleがiOSに厳格なプライバシーポリシーを導入した事にある。iOSでのプライバシーポリシー強化の結果、ユーザのインターネット上での行動の追跡や、ターゲットの絞り込みが制限されることになり、Metaを始め、他のソーシャルメディアでも広告の効率や効果が大きく毀損されることになった。

Metaは2022年は、AppleのiOSのプライバシーポリシーの変更が100億ドルの広告収入の損失につながったと発表している。

有料サービスでのTwitter Blueを先行して導入したTwitterは、すでに十数カ国で、Twitter Blueを展開している。しかしながら、1月の時点でTwitter Blueに登録したアカウント数は約18万件にとどまっているそうだ。つまり今まで無料だったものに有料のサービスを付け加えると言うのは、よほどのメリットがないと難しい。それが単なる認証だけであれば、著名人や広告活動を行っている広告主のアカウント以外では、有料で認証を受けると言うモチベーションがない。

それでも、Metaが今回、有料サービスを導入するのは、広告モデルのMetaが悩んでいると言うことなのかもしれない。広告収入の落ち込みと次世代のためのメタバースへの積極的な投資がすぐにはリターンを生んでいない現状の中で、短期的な収入源として、Twitterが行っている有料の認証サービスを真似している。これは、泥縄的な打ち手であると言わざるを得ない。だが、そもそも、Metaはうまく行っているサービスを真似ることで成長してきた。動画の導入などその典型である。

とは言いつつも、有料の認証サービスの申込者が少なかったところで、FacebookもInstagramそのオペレーションに大きな違いは無いためにうまくいけばハッピーと言うような軽い決断で行われたものと思われる。さて、どうなることか。

You may also like

Leave a Comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

error: Content is protected !!