パンデミックにより2年遅れたワールドベースボールクラシックの第5回大会は大きな盛り上がりを見せている。
日本では、3月10日の韓国戦の視聴率は44.4%で、東京オリンピックの際のすべての競技の視聴率を上回った。日本代表の一次ラウンドの4試合の平均視聴率は42.3%で、今回のワールドベースボールクラシックが多くの人の耳目を集めたことがわかる。
これは日本だけの現象ではなく韓国でも同様で、韓国の一次ラウンドの4試合の平均視聴者数は178万人で、前大会の2017年から35%増加した。また、アメリカでも、アメリカ対イギリス戦の視聴者数は160万人を数え、2009年の第一回大会以来、最も視聴された一次ラウンドの試合となった。この人気は、アメリカ・韓国・日本だけではなく、台湾や外部カリブ海諸国でも同様のようだ。
今回の大会の一次ラウンドの観客動員数は、2017年の前回大会の51万人に対して101万人となり大幅な増加となった。これは、参加チーム数が20チームに増えて試合数が増加したことも影響しているが、1試合平均入場者数も2万5000人で、24%も増加している。
東京で行われたプールBの一次ラウンドのリーグ戦の観客動員数は、36万人となり、一試合平均3万6,000人を達成している、日本戦が満員になるのは当たり前だが、それ以外の試合でも大きな観客を集めたことを示している。実際テレビで見ていても、日本戦以外でもそれほど空席を目立たなかった。そして、一次ラウンド101万人の三分の一が東京での観客ということで、日本の野球人気が大きいことがよく分かる。
今回日本で圧倒的な人気を集めたのは、やはり大谷翔平の存在であろう。普段野球を見ない人まで大谷翔平のことを話題にしていた。やはりスポーツと言うのは競技を見るのは当然にしても、そこに関わる選手の存在が大きい。スポーツの魅力の少なくとも半分はプレイする選手の魅力によっている。
逆にそのプレーによって、選手は輝きを増し人気者になり、結果としてそのスポーツの魅力になるということが、今回の日系アメリカ人ラース・ヌートバー現象がよく表している。大会前は日本ではまったく無名だった選手が人気ものになったのは、彼の明るい性格もあるが、そのプレーにあったことは明白だ。
さて、今日の準決勝のメキシコ戦は、日本時間では、午前とは言え休日であるために、1次ラウンドの夜の試合に比べると、視聴率もある程度はとるだろう。かなり多くの人がテレビの前で佐々木朗希投手などを応援するであろう。