Threadsの人気

by Shogo

Metaが、公開したThreadsは、1日足らずで3,000万回以上ダウンロードされたそうだ。これは、記録的に急速に普及したことで知られるChatGPTを上回る。ChatGPTは、最初は5日間で100万回ダウンロードだった。Threadsのダウンロードは順調に進み、2日で7,000万ダウンロードを超えたそうだ。今のペースでダウンロードが進むと、ChatGPTと同じように、2ヶ月以内に1億ユーザを超えると見込まれている。すでに多くのTwitterユーザが有名人も含めて使い始めて投稿している。

この熱狂的とも言えるThreadsの人気は、Twitterの不人気の裏返しだ。イーロン・マスクが買収して以来、投稿についてのルールの変更や有料課金への誘導や、果ては閲覧数制限などもあり、Twitterへの不満を多くの人が持っていた。しかしながら、有効な代替がないまま数ヶ月が過ぎて、不満の頂点に達したところにThreadsが登場したということなのだろう。また、多くのTwitterユーザにとって、多分すでに使っているInstagramと連携しているThreadsということもダウンロードのきっかけと思われる。

この状況にイーロンマスクも黙っていないようだ。Twitterの弁護士は、Twitterの元従業員を利用して営業秘密を盗んでThreadsを開始したとして訴訟開始する構えを見せている。

TwitterとThreadsの比較

TwitterとThreadsの違いは大きくない。Threadsをイーロン・マスクがコピーと呼び、Twitter 創業者のジャック・ドーシーはTwitterクローンを決めつけた。デザインは似ており、(と言ってもスマホ上では似てしまうのだろうが)、文字数制限とリアルタイム性を特徴とすることは共通している。大きな違いは歴史だけだ。Twitterは、すでに17年に渡って人気があった。現時点で毎日、アクティブユーザ数は2億3700万人以上だ。他にリアルタイムのやり取りが公開できるSNSがないために、スポーツ団体から、ニュース組織、災害情報までTwitterが中心になってきた。そこにThreadsが割り込めるかどうか。いままでのTwitterの競合は成功していない。

Threadsは、Twitterと同様のインターフェースを持ち、ユーザーは投稿(スレッド)に対して「いいね」、「再投稿(RT)」、「引用(引用RT)」などのアクションを取ることができるのは、Twitterと同じだ。真似と言われるのも仕方ないが、元々が画期的な発明でもなく特許侵害のようなことでもない。

ThreadsはInstagramと密接に連携しており、シェアボタンから直接Instagramのフィードやストーリーに投稿を追加することができる。さらに、Threadsのアカウント作成にはInstagramアカウントが必要で、名前とユーザーネームはInstagramと同期される。この一体化している点が強みであり、一部の人には弱みになる。Threadsをやめたくなった場合には、一緒にInstagramのアカウントを削除しなければいけないと言う問題があり、使うことをためらう人もいると言う。この問題については今後Metaが対処すると思われる。

TwitterとThreadsの最大の違いは、その連携機能と投稿の文字数制限だ。Twitterは280文字の制限があるが、Threadsでは500文字まで投稿することができる。ただ、これはお気な違いとも呼べない。

また、Threadsのタイムラインは「おすすめ」のコンテンツに基づいて整理され、時系列ではない点がTwitterとは異なる。これが、リアルタイム性にどう影響するか興味がもたれる。さらに、Threadsでは現時点では、投稿の編集やハッシュタグの使用、投稿のピン留めなどの機能が提供されていない。これは、早晩、機能が追加されるのだろう。

Threads開発は、プロジェクト92と言われ、Meta社内でも極秘裏に準備が進められていたと言う。Metaは、アプリ公開前にセレブ、大手企業、インフルエンサーにコンタクトを取り、試用を促していたようだ。そのためにTwitterのヘビーユーザーの有名人である、ジェニファー・ロペス、ビル・ゲイツ、シャキーラなど多くの有名人が、公開直後にThreadsの投稿を開始した。慎重に準備をしてきたということだろう。

Metaは、過去数年にわたって、有害な情報や誤情報を広めてきたとして、連邦政府からもターゲットにされてきた。このため、かなり慎重なコンテンツチェックの体制をとっているようだ。報道よれば、Threadsの一部の投稿は、「独立したファクトチェッカーよってレビューをされ、誤解を招くものと判断された」と言う警告ボックスの後ろに隠れていた。また以前に偽情報や誤解を招くコンテンツを公開したとしてフラグを立てていた一部のインフルエンサーをフォローしようとしたユーザに、警告が表示されると言うようなこともあるようだ。

内容については、コンテンツチェックを廃止しているTwitterに対してMetaは慎重な姿勢のようだ。噂になっているマーク・ザッカーバーグとイーロン・マスクのリアルのケージファイトについてはどうなるかわからないが、TwitterとThreadsの戦いは始まったばかりだ。

関連記事

You may also like

Leave a Comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

error: Content is protected !!