驚くような記事を読んだ。20世紀に入って地球の自転が狂い始めていると言うのである。
研究者たちは、地球の自転の軸の平均的な位置を調べ、それが東に傾きつつあることを発見したそして、データを調べ、極地の氷河、山岳氷河の融解が加速し、地球の自転に影響与えるほど質量の分布が変化していたことを計算によってあきらかにした。
そしてさらに、もう一つ重要な要因を発見した。地下水の変化だ。農作物や生活のために、地下から大量に汲み上げられる地下水の枯渇の問題だ。地下水の汲み上げと地軸の移動の間に相関性がある事は、計算上で示されていると言う。
地球上の水は97%が海水で占められており、淡水はわずか3%に過ぎない。しかもそのほとんどは、氷河や氷山として固体として偏在している。このために人間が生活や農業に利用できる水は、淡水湖、河川、地下水に限られ、これは全体の1%に過ぎない。日本のように水資源の豊かな国は別にして、多くの国では水は大きな問題だ。
このため、多くの国では地下水を汲み上げて利用している。地下水が汲み上げられて、その後、地下水が補充されないと土地は沈下し住宅やインフラに大きな影響が出る。しかし問題はそれだけではない。まず、その後地下水を保持できる地下空間が消滅する。この地下水の枯渇が、2000年には75兆ガロンに達し、地球の自転に影響与えていると言う。特に減少が激しい地域は、インドやカルフォルニアなどの特定の地域に偏っている。
現時点では、地軸の揺れは、まだ飛行機の運行デーアやGPSの測定に影響与えるほどではないが、今以上に進むと測定が正確でなくなる可能性があるそうだ。この記事で驚いたのは、そもそも地球の自転は、多少ふらついていることだ。その理由は、地球が赤道でやや膨らんでいることと、大気圏の空気の渦に影響受けているからだそうだ。地球のような巨大な物体の回転に影響与えるほどの空気の渦とは想像もできない。
そこに氷河期や氷山の融解による水量の移動や地下水の消失によるバランスの変化が加わると、どこかのタイミングで、地球の自転が大きく狂うかもしれない。記事では今後のシナリオには触れられていないが、そのように理解した。
まるで空が落ちてくると言うことを憂う人のような話にも聞こえるが、空気の渦が自転に影響与えるとすれば、水のように重い物体の位置の変化が自転に影響を与えるには、非常に論理的なものだ。
温暖化ガスにより北極圏の氷が2030年代の夏には歴史上初めて完全に溶けると予想されている。当然ヒマラヤ山脈の氷も溶けているだろう。気温の上昇による様々な影響を考えてきたが、地球の自転にまで影響を与えとなると大変なことだ。心の底から恐ろしくなる。
先日の恐ろしい記事は、小惑星の衝突だったが、今度は足元が揺れている話だ。今週末は全国的な大雨だというから、地球は危険だらけということのようだ。