Netflixが広告無しベーシックプランを廃止

by Shogo

Netflixが、新規可能加入者に対しては、ベーシックの広告無しプランを廃止した。これは、カナダで最初に実施され、アメリカとイギリスで同様のプランの改定が行われた。この新規加入者向けプランの変更は日本でも近日中に採用される可能性が高いと思われる。

アメリカでは9. 99ドルのベーシックの広告無しプランが廃止されたことにより新規加入者の一番安い広告無しプランは15.49ドル。広告付きプランの6.99ドルと大きな幅がある。これはあきらかに、広告付きプランへの誘導を狙った料金プランの改定だ。

今回の変更は、2022年11月に広告付きプランが導入した結果、広告主の反応を見て、さらに広告付きプラン加入者拡大を狙っているのだろう。広告付プランでは1時間あたり最大で4分から5分の広告が挿入される。3ドルの違いでは、広告付きプランを選ばないかもしれないが、8.5ドルも違っていれば広告付きプランを選ぶ可能性が高い。Netflixの読みとしては、高価なサブスクを選ぶ可能性が高い層は、すでに飽和状態で、これ以上は新規加入者を獲得できないと考えているということだろう。

新しい広告付きプランは、導入後6ヶ月で世界で月間アクティブユーザ500万人を獲得し、広告付きプランがある国では新規加入者の4分の1が広告付きプランを選んでいると言う。

この世界で500万人の広告付きプランを選択した新規加入者の国別の内訳はわからない。日本でどの程度選ばれているだろうか。現時点の日本のNetflixの料金は、広告付きベーシックプランが790円、ベーシックプランは990円、スタンダードプランが1490円、プレミアムプランが1980円となっている。競合しているサブスク映像配信サービスでは、一番高いのはU-NEXTの2,189円だが、Netflixのベーシックプランの990円は、Disney+ 990円、ABEMAプレミアム960円とほぼ同じ価格帯だ。ベーシックプランの990円がなくなると、安い広告付きプラン790円が選ばれるかは多少疑問がある。

広告は絶対入れないと言っていたNetflixが広告を入れることに決めて、8ヶ月だ。サブスクリプションモデルでやってきたNetflixは、広告に舵を切ったとは言えないが、広告ビジネスモデルで手応えを感じているということなのだろう。

この料金プラン改定の発表と同時にNetflixは第二四半期の決算発表も行っている。この発表によれば第二四半期に580万人の新規加入があり、加入者総数は2億3,800万人となったとなった。売上げは3 %増の82億ドルで利益は前年同期と同じ1.5億ドル。昨年10年間で初めて加入者の減少を経験した後の2つの施策は成功しているようだ。1つはパスワード共有の取り締まりと広告付きプランの導入だ。

広告ビジネスは、広告の対象者がある程度以上大きくならないと規模の経済が働かないし、主要広告主にも相手にされない。そのために、広告が表示されるユーザー数を1桁以上大きくしたいということなのだろう。

今進行中のハリウッドのストは、間違いなくNetflixも対象だ。しかし、皮肉なことに、ストが始まって以来、多くのメディア企業の株価が下落するなかで、Netflixの株価は上がったようだ。

しかし、Netflixも他のメディアと企業と同様に制作スケジュールに大きな影響が出ている。Netflixの人気シリーズの「Big Mouth」と「Cobra Kai」、そして「Stranger Things」は制作が延期になっていると言う。「Big Mouth」と「Cobra Kai」は見ていないが、「Stranger Things」は80年代の音楽が心地よいので見ていたので、延期は残念だ。

ストも影響しているのか、NetflixはWarner MediaからHBO Originalの「Insecure」、「Band of Brothers」、「The Pacific」、「Six Feet Under」、「Ballers」などの人気シリーズをライセンス契約をした。これだけ有名なシリーズを揃えれば、現時点の加入者も新規加入者も納得できるだろう。

個人的には、そもそもほとんどNetflixを見ていないので、そろそろ契約をしている3つのサブスクを整理するタイミングが来ているようだ。

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