アメリカのデジタル広告が好調

by Shogo

アメリカのインフレはやや収まったようだが、まだ利上げもあり景気の後退の懸念もあるようだ。それでも、デジタル広告はアメリカでは好調のようだ。ただし、Twitter改めXを除いてだが。

Meta、Google、Amazonへの広告の出稿が2023年第二四半期で前期よりも31%急増したそうだ。このデータはマーケティング会社のTinuitiのクライアントが対象になっている。特定の会社のクライアントが中心になっているため、一般の広告主よりも小売やEC事業者に広告主が偏っているが、それ以外のクライアントものデータも取り入れられているため、傾向を見るためには役立つデータとなっている。

2023年第2四半期は、2021年の第4四半期以来初めて、Google検索連動型広告、YouTube、 Facebook、 Instagram、Amazon広告の主要な5つのプラットフォームの全てで広告支出が増加した期となった。

2022年に広告支出が控えられていたことも影響しているが、全体的には広告主の広告出稿は増加している。特にInstagramが好調で前年同期比31%増。これは動画のReelsが好調のため。しかし、一方でFacebookの伸びは、わずか2%に過ぎなかった。iPhoneのプライバシーポリシー影響で、Metaは大きな影響を受けたが、これからは回復しつつあるようだ。TikTokは、政府や州での規制もあったが、広告に大きな影響はなく11%増加している。

この数年、急速な成長しているAmazon広告は、この数年続いた12%から25%の成長が頭打ちになり、8%の増加ととどまった。このAmazonの広告ビジネスを追いかける。Walmartの広告ビジネスは39%の大きな成長となった。ただし、まだビジネスの規模が小さいので、Amazonの域に達するまでは時間がかかりそうだ。

動画プラットフォームでは、YouTubeが10%増加し、特にコネクテッドTVについて言えば31%と大きな成長を見せた。コネクテッドTVの広告費は、今後NetflixやWarner Bro. DiscoveryのMaxなどの定額配信サービスの広告も含めて大きな成長が見込まれている。

特に現時点では、NetflixとMaxのCPM (1000人あたり到達コスト)は比較的高めだが、需要は好調のようだ。この2つの定額配信サービスの視聴者は、他のメディアでは到達できない層であるために、広告主にとって魅力的だからだ。

Tinuiti のデータではGoogleの検索連動型広告は売上げが、前四半期から11%増加している。Googleの検索件数は、ChatGPTを採用したMicrosoftのBingに追い上げられていると伝えられているが現時点では大きな影響が出てないようだ。

検索連動型広告は、Googleの屋台骨である。ちょうどGoogle の親会社のAlphabetも決算発表をしているが、その決算数字でも影響を受けていない。Google検索エンジンからの収益は2四半期で5%増の426億ドルとなり、アナリストの予想の422.2億ドルをわずかに上回っている。ChatGPTやMicrosoftのBing検索エンジンとの競争があるにもかかわらず、Googleに慣れ親しんだ数十億のユーザーがいるから、多少のことでは、その地位は変わらないと言うことだ。

You may also like

Leave a Comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

error: Content is protected !!