TikTok100億ドル支出創出

by Shogo

TikTokは、非ゲームモバイルアプリとして初めて、消費者支出で100億ドルを生み出したそうだ。2023年に38億ドルを稼ぎ出し、2022年の33億ドルから大きく伸びた。

TikTokで生まれる消費者支出は、プラットフォーム上のコンテンツクリエーター(TikToker)に仮想ギフトとして使われるTikTokコインから成り立っている。この100億ドルの合計には、アプリ内広告や2023年9月に新たに開始されたTikTok Shopによるeコマースなど、他の収入源は含まれていない。

TikTokは、100億ドルの総収入マイルストーンを超えた5つのモバイルアプリのうちの1つとなった。今まで100億ドルを超えているのは、すべてゲームアプリで、King / Activision BlizzardのCandy Crush Saga、TencentのHonor of Kings、XFLAG / MixiのMonster Strike、SupercellのClash of Clansである。

アメリカ合衆国と中国のユーザーが、100億ドルの約30%をそれぞれ生み出しており、合わせて60%、約60億ドルとなっている。この2国以外ではサウジアラビア、ドイツ、イギリス、日本が次に多くの収益を生み出している。日本でも若者のTikTok利用率が高く、学生のほとんどが利用している。ただ、コインの投げ銭を行なっているのかは知らない。

TikTokユーザーは月に平均40時間をアプリ内で使っており、その際に、アプリ内でコインを購入して、クリエイターに仮想ギフトとして贈る。クリエーターは仮想ギフトを仮想ダイヤモンドに交換して通貨に変換する。この際に TikTokは50%を手数料として徴収する。

TikTokで最も人気のあるコインのセットは、1,321コインのバンドルで、価格は19.99ドルだそうだ。これがアプリのコイン売り上げの約4分の1を占めているほどの人気だという。19.99ドルは投げ銭としては、決して安い金額ではない。それが、大量に売れるほど、投げ銭が一般的ということだろう。

100億ドルの支出創出は、TikTokがソーシャルメディア業界においてどれほどの影響力を持っているかを示している。特に若い世代のユーザーにとって、TikTokは単なる娯楽のプラットフォームを超え、ブランドや製品を発見し、購入へとつながるツールとなってきた。「TikTok売れ」が話題になったのは2021年のことだった。TikTokは、その収益モデルとして、コンテンツクリエーターへの仮想ギフトの購入を中心に据えることで、クリエイターをプラットフォームに呼び込み、クリエイターとユーザーとの間に強い結びつきを生み出しているようだ。

TikTokの収益を支えている主な収入源は以下の通り。

  • 投げ銭収入
    • TikTokライブの視聴者から送られるギフト(仮想コイン)の収入
    • TikTokが50%を手数料として取得する仕組み
    • 配信者への投げ銭額が増えるほど収入が増える
  • 広告収入
    • TikTokへの企業による広告掲載による収入
    • バナー広告やインフィード動画広告などの広告商品がある
  • 自社コンテンツ販売収入
    • TikTokショップでの商品販売による手数料収入
    • 配信者がTikTokショップで商品を販売すると手数料を得られる
  • その他
    • アフィリエイト収入:配信者の商品紹介による成果報酬
    • 企業案件収入:企業からの商品PR依頼による収入

TikTokはデジタルマーケットプレイスとしての役割を強化し、ソーシャルメディアプラットフォームとしての地位を不動のものにした。アプリ内広告やeコマースなど、新たな収入源の拡大によってさらに売上が伸びることが予想される。これにより、企業にとって、TikTokをマーケティング戦略の対象メディアとして組み込むことがより重要になってきている。

アメリカにおけるTikTok排除の動きも、現時点ではすぐには実現しないと予想されるために、当面はTikTokの人気は続くのだろう。

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