Metaの詐欺広告対策

by Shogo

FacebookやInstagramなどのSNSで、有名人の画像を不正に使用した詐欺広告が急増している。これらの広告は、有名人の画像を使ったり、AIによって生成されたリアルな画像でユーザーを騙し、偽の投資話や商品購入に誘導するなど、巧妙な手口で被害者を増やし続けている。

詐欺広告でMetaを訴えたのは、神戸市や東京などに住む40代から60代までの男女4人だ。。これらの原告は、実業家の前澤友作さんなど、有名人や投資家になりすましたFacebookやInstagram上での偽の広告をきっかけに、うその投資の勧誘を受け、金銭をだまし取られたと主張している。前澤さんも、その後にMetaに対して訴訟をおこしている。

このような状況を受けて、Metaは、Facebook及びInstagramにおける詐欺広告対策として、顔認識技術の導入を段階的に進めているそうだ。この新しい取り組みは、ユーザーアカウントの保護と不正広告の検出という2つの主要な目的を持っているようだ。

アカウント復旧のための顔認識技術

Metaは、ユーザーがアカウントにアクセスできなくなった際の本人確認プロセスを改善するため、顔認識技術のテストを開始したという。この新システムでは、ユーザーは自分の顔を撮影した短い動画をアップロードすることで、アカウントの復旧を申請できる。

顔認識システムは、アップロードされた動画とアクセスしようとしているアカウントのプロフィール写真を比較する。この方法は、従来のID書類や公的文書のアップロードに比べ、より迅速かつ安全な本人確認を可能にする。このためには、プロフィールを自分の写真にしておく必要があるのだろう。

ただし、顔認識による認証は唯一の選択肢ではなく、ユーザーは従来通り、IDカードなどの公的書類をアップロードする方法も選択できる。

「セレブリティおとり広告」対策

Metaはまた、詐欺広告。いわゆる「セレブリティおとり広告」の検出にも顔認識技術を活用し始めた。これらの広告は、AIを使用するなどして有名人の画像を不正に使用して、ユーザーを詐欺サイトに誘導する手法だ。

新しいシステムでは、広告に使用されている顔画像を、該当する有名人のFacebookやInstagramの公式プロフィール写真と比較する。一致が確認され、かつ広告が詐欺であると判断された場合、その広告はブロックされる。

ただし、今のところ、この取り組みには限られた数の有名人のみが対象になっている。

プライバシーへの配慮

Metaは、顔認識データの取り扱いに関して慎重なアプローチを取っている。広告の比較に使用された顔データは、一致の有無にかかわらず、比較後直ちに削除されるとしている。また、この技術は広告の検証以外の目的には使用されないことも明確にしている。これを言っておかないと、他人の顔写真を管理しているなどと理解されると、逆に多くの批判を受けるからだろう。

ただ、この新技術の導入は世界的に一様ではない。データ収集に関する各国の法律により、欧州連合(EU)、イギリス、およびいくつかの管轄区域では現在のところ導入されていない。日本については不明だが、今のところ対象になっていないようだ。

Metaは、初期のテスト結果に基づいて、今後数ヶ月以内にアカウント復旧のための顔認識技術を、少なくとも米国では全ユーザーに展開する計画のようだ。また、セレブリティおとり広告対策についても、さらに多くの有名人を対象に拡大していく予定だそうだが、これが日本にも導入されるかどうかは発表されていない。

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