タイムズスクエアの広告看板の価値200億円

by Shogo

タイムズスクエアの広告の価値を裁判所が算定したという記事があった。そのデジタル広告ディスプレイの価値は、約1億300万ドル(約200億円)ということだ。それも、新年にボールが落ちてくる、あの有名なビルの広告スペースではない。

タイムズスクエアは、ニューヨークでは珍しい屋外広告が見られる場所だ。ここだけは屋外広告が禁止されていない。むしろ、市の条例では、タイムズスクエアではビルのオーナーは広告スペースを作らなければいけないことになっている。タイムズスクエアを明るく賑やかにするためのようだ。

裁判の中で、価値の算定が行われたのは、47丁目と7番街の北東角に位置する6階建てのビルの広告ディスプレイだ。

この広告ディスプレイは、約1,720平方メートルの広さを持ち、26.7メガピクセルの解像度があるという。これは、一般的なハイビジョンの16倍の解像度に相当し、鮮明で迫力ある映像を映し出す。この高解像度ディスプレイは、Sansi North America Displays社によって製造された高機能なもののようだ。

この広告ディスプレイの価値は、ニューヨーク州最高裁判所での差し押さえ手続きの中で明らかになった。裁判所の判断によれば、ビルボード(広告ディスプレイ)とその下の小売スペースの市場価値は5億4,600万ドルとされ、そのうちビルボード自体の価値は約1億300万ドルと推定された。これは、タイムズスクエア内の他のビルボードと比較しても突出した価値ということだ。

タイムズスクエアは、1日あたり20万人以上の歩行者が訪れる場所であり、ピーク時にはその数が倍増する。このため、広告主はこのエリアでの露出に高い価値を見出し、高額な広告料金を支払う。例えば、47丁目の広告ディスプレイは年間で最大4,100万ドルの賃料収入を生み出すとされている。一方、タイムズスクエアの中心に位置する1タイムズスクエアのビルボードは、年間2,500万ドルの賃料収入を得ており、その規模や料金設定はビルボードごとに大きく異なる。1タイムズスクエアは、新年にボールが落ちてくるビルの住所だ。

日本でもいくつか3Dビルボードが注目を浴びたが、タイムズスクエアでは3Dビルボードの導入が進んでおり、3Dの視覚効果で注目を集めているそうだ。

この十年以上ニューヨークに行っていないので知らなかったが、日本企業は今でもタイムズスクエアでの広告展開を行っているようだ。2024年6月に、伊藤園が大谷翔平選手を起用した「お~いお茶」の広告をタイムズスクエアで展開したという。

調べてみると、タイムズスクエアでの広告掲載は、コストも高額であり、広告主は投資対効果を慎重に検討するが、今でも需要は高いようだ。例えば、タイムズスクエアのデジタル広告ディスプレイに15秒間の広告を掲載する費用は、約20万円から68万円だ。この金額であれば、かなりのネット広告が可能だが、タイムズスクエアでの広告は、世界中の観光客やメディアに映り込むこともあり、人気は高い。 

それは、タイムズスクエアで流れる広告映像や写真は、多くの場合SNSやニュースメディアで取り上げられる。これにより、一度掲示しただけでも世界中に情報が拡散し、大規模なバイラル効果が期待できるからだ

タイムズスクエアの広告と言えば、SONYがアメリカに進出した時に、あのボールが落ちてくるビルの上に広告看板をだしたのは有名だ。あのビルから、歩いて5分の場所に数年住んでいたが、その間に一度も新年のボールを見に行かなかったことが悔やまれる。寒いからテレビでいいと思っていたが、もはや自分の目で見ることもないだろう。

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