ブラウザはGoogle ChromeとSafariを使ってきたが、昨年からArcも使い始めた。まだ、Arcは使い慣れないので利用頻度は低い。試験運転中ということだろうか。そうしていたら、ArcのThe Browser Company から Dia という、AI搭載ブラウザも発表されている。これは、まだ試していない。
そして、AI 検索エンジン Perplexity AI が、AI搭載ウェブブラウザ「Comet」の開発を発表した。検索エンジンとして急成長を遂げた Perplexity が、ブラウザ市場に参入することで、興味がでてきた。
Perplexity AI は、AI を活用した検索エンジンとして、2022年の創業以来、急速に成長してきた。週あたり1億件以上のクエリを処理するまでに成長している。個人的にも、簡単な検索はGoogleだが、Perplexityを使うことも多くなってきた。それは、関連する質問が、検索結果の下に表示されることで深堀りができるからだ。
2024年初頭には5億2000万ドルと評価されていたPerplexity AIは、2024年夏には30億ドル、そして年末には5億ドルの資金調達ラウンドを完了し、評価額は90億ドルにまで跳ね上がった。この背景には、ソフトバンク、NVIDIA、Amazon 創業者のジェフ・ベゾスといった著名な投資家たちの支援がある。
Perplexity AI は、検索エンジンに加え、AI ショッピングアシスタント「Buy With Pro」や画像検索ツール「Snap to Shop」など、次々と新機能を投入してきている。また、課金すれば、ChatGPT-4oやDALLE-3も使える。
そして今回、Comet の開発発表により、検索エンジンからブラウザへと事業領域を拡大しようとしているようだ。
Perplexity AI は、「Perplexity が検索を再発明したように、我々はブラウザも再発明する」と今回の発表で述べている。Comet の詳細はまだ不明だが、Perplexity AI の強みである AI 技術が組み込まれるのだろう。デザインや使い勝手にどんな工夫があるのか詳細が待たれる。
従来のブラウザは、ウェブサイトを表示する役割に過ぎないが、Comet は AI を活用することで、ユーザーの検索意図を理解し、関連情報を自動的に提示したり、質問に答えたり、タスクを実行したりするのだろう。Gensparkのような、検索結果がウエブページのように表示されるインターフェースを想像する。
例えば、Comet を使って旅行計画を立てる場合、目的地や旅行期間を入力するだけで、AI が最適な航空券やホテルを提案したり、現地の観光情報をまとめてくれたりするかもしれない。また、Comet 上で直接オンラインショッピングをすることも可能にするのだろう。
だが、ブラウザ市場は競合が多い。寡占状態のChrome を筆頭に、Microsoft Edge、Firefox、Safari など、強力な競合が存在する。また、The Browser Company の Dia ブラウザなど、AI 機能を搭載した新しいブラウザも登場しており、競争は激化の一途だ。
Perplexity AI は、Comet の開発を通じて、検索エンジンからブラウザへと事業領域を拡大し、インターネット利用体験全体を包括するプラットフォームを目指しているのだろう。AI 技術を核に、検索、ブラウジング、ショッピング、情報収集など、様々な機能を統合することで競合するブラウザとの差別化を図ろうとするだろう。
だが、問題はそこではない。やはり、学習というブランドスイッチ障壁が立ちはだかる。Arcに完全に移行できていないのも、そこだ。最初は何でも使い慣れない。これを乗り越えるのはマーケティングということになるが、いままで、これに成功したのは、ネットで圧倒的に強かった、GoogleのChromeだけだ。
それでも、CometもDiaも早く使ってみたいものだ。