Instagram Reelsが別アプリ化?

by Shogo

Meta(旧Facebook)が、Instagramの短尺動画機能「Reels」を独立したアプリとしてリリースすると報道されている。短尺動画市場を席巻しているが米国での将来が不確実な状況のTikTokに対し、Metaが短尺動画市場における主導権を握ろうとする意図と観測されている。

報道によると、Instagramの責任者が「Project Ray」というコードネームでこのプロジェクトについて議論したとのことだ。このプロジェクトは、米国における新規および既存ユーザー向けの動画レコメンデーションの改善と、3分間の長尺Reelsコンテンツの強化にあるという。

現在、Instagramは写真、動画、ストーリーズなど多岐にわたるコンテンツを統合しているが、その結果、アプリが複雑化し、ユーザーからは「ごちゃごちゃしている」との声も上がっているそうだ。これは、動画やストーリーズなど、他で人気のあるアプリの機能を盛り込んで、屋上屋を重ねてきたから当然だ。このために、Reelsを独立したアプリとすることで、Instagramのユーザー体験を簡素化しつつ、MetaはTikTokと直接競合するための特化したアプリを手に入れることができる。Xに対抗するThreadsを立ち上げたのと同じ戦略だ。

Metaのこの動きの背景には、TikTokの米国での規制リスクがあることが確実だ。中国企業ByteDanceが所有するTikTokは、米国政府から国家安全保障上の懸念を持たれており、データ流出や政治的影響力の問題が指摘されている。このような状況下で、MetaはReelsを独立させることで、TikTokのユーザーを自社アプリに引き込むチャンスを狙っているのだそうだ。

過去にMetaは、TikTokに対抗するために「Lasso」という独立アプリをリリースしたが、成功しなかった。しかし、今回は既存のReels機能をベースにしているため、ユーザーの移行がスムーズに進む可能性があるだろう。

Reelsは、Metaのプラットフォーム全体で最も急速に成長しているコンテンツ形式であり、1日あたり2,000億回以上の視聴回数を記録している。MetaのAIによるレコメンデーション機能の強化により、Instagramのフィードに表示される投稿の50%以上がAIによって選ばれるようになっている。また、ユーザーはフィードへの投稿よりもストーリーズやメッセージでの共有を好む傾向にあり、Reelsはエンゲージメントを牽引する重要な要素となっているそうだ。

しかし、ReelsをInstagramから分離することにはリスクも伴うだろう。Instagramの主要な機能であるReelsがなくなることで、ユーザーがInstagram自体を開く頻度が減る可能性がある。Metaがこのリスクをどのように評価しているのだろうか。

MetaがReelsを、本当に独立したアプリとしてリリースするかどうかはまだ不透明だが、この検討自体が、Metaが短尺動画市場を重視していることの表れだ。これは、間違ってはいないだろう。ネットの世界は、短尺動画に向かっていることは間違いがない。

もしReelsが独立したアプリとしてリリースされれば、短尺動画市場はさらに激しい競争に突入する。

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