報道によると、OpenAIは2025年の年間売上高が127億ドル(約1兆9000億円)に達する見込みであり、これは前年から実に3倍以上の成長となるという。
OpenAIの年間売上高には、一般ユーザー向けのサブスクリプション、企業向けのChatGPT EnterpriseやAPI利用料などが含まれている。ただし、マイクロソフトへのライセンス収入や大型の一時的な取引は含まれていないそうだ。これが、なぜだかはどこにも説明が無い。大株主との取引だからだろうか。その契約に何らかの取り決めがあるのかもしれない。
特に、ChatGPTのサブスクリプションサービスが売上成長の主因となっており、2024年から2025年にかけて利用者数と売上が急増した。また、2023年8月に企業向けサービスを開始して以降、わずか1年で有料ビジネス契約者数は100万から300万に急拡大している。今やAIを活用しない企業はないから、300万どころか桁違いに成長するだろう。
2025年3月時点で、OpenAIの週次アクティブユーザー数は5億人を超えた報道されているし、ビジネス向け有料契約者は300万社だ。この300万の数字は、2024年2月時点の200万社からわずか数カ月で100万社増加したことを示しており、企業によるAI導入が急速に進んでいることが分かる。
さらに、OpenAIはChatGPTの新機能「Connectors」や「Record Mode」など、企業の業務効率化や情報活用を支援する機能を次々と投入し、金融や医療など規制の厳しい業界にも浸透しているそうだ。
OpenAIは2025年3月、過去最大規模となる400億ドル(約6兆円)の資金調達を完了し、企業価値は3000億ドル(約45兆円)に達した。この資金調達にはソフトバンクやマイクロソフトなどが参加しており、OpenAIの成長性とAI市場の将来性に対する期待が非常に高いことがうかがえる。
だが、売上が急拡大する一方で、OpenAIのコストも増大しているという。2024年には約50億ドル(約7500億円)の赤字を計上しており、AIモデルの開発・運用にかかるインフラや人材コストが大きな負担となっている。報道によれば、OpenAIがキャッシュフロー黒字化を達成するのは2029年以降と見込まれており、それまでは大規模な投資と拡大路線が続くと予想されている。先日のジブリ風画像加工の利用者急増で莫大なコストがかかったことも報道されていた。開発費は別にしても、利用者急増のための運用コストは大きなものになってゆくだろう。
OpenAIは2029年に売上高1250億ドル(約18兆7000億円)を目標として掲げている。しかし、Googleを始めとして競合他社も急成長しているし、能力も差のないものになっている。OpenAIは、AI業界のリーディングカンパニーとしての地位を維持できるのか、デバイスやSNSの立ち上げなど、新しい競争軸が必要になってきているのではないかと思う。