TikTokがSNS化に踏み出した。この動きは、Spotifyがメッセージ機能を追加したことと同一線上にある。2025年8月末より、TikTokはダイレクトメッセージ(DM)の新機能を段階的に導入しているそうだ。TikTokは研究用にアカウントはあるが開くことは滅多にないので、どういう感じか分からない。
報道によれば、16歳以上のユーザーを対象に、音声メッセージ(最大60秒)および複数の画像・動画(最大9件)を、一対一やグループチャットで送信できるようになったということだ。
TikTok DM機能の拡充内容
- 最新アップデートにより、TikTokのDMでは以下が可能となりました:
- 最大9枚までの画像・動画送信(動画は最長1分まで)
- 音声メッセージ送信(最長1分まで)
- 送信操作の簡便化とキャンセル機能(録音中に指をスワイプすると送信を止められる)
TikTokのDMは、ユーザーエンゲージメントの深化につながるだろう。音声や画像によるコミュニケーションは、文字よりも感情やニュアンスを伝えやすいため、ユーザー間の親密さやリアル感が向上。これにより滞在時間やDM利用率が増加し、アクティブユーザーの定着に貢献する可能性がある。
これまでのTikTokでは機能が不足していたDM領域だが、今回のアップデートでInstagram、Snapchat、WhatsAppに近づき、若年層メインのエンゲージメント争いで優位に立つ可能性がある。今後、WhatsAppやInstagramとの競争激化が予想される。
また、マーケティングにおいても影響があるだろう。DM内の滞在時間増加は、将来的に広告表示やスポンサー付きステッカー、ブランドとの直接コミュニケーションチャネルとしての可能性を意味する。TikTokがラストマイルでの接触をどのようにマネタイズするか注目だ。
今回のTikTokのDM機能強化で、TikTokはもはや「見る」だけの場ではなくなる。文字から音・画像を交えたコミュニケーション・ツールへの進化を意味する。これにより、ユーザーはプライベートなつながりをこの1アプリで完結できるようになり、エンゲージメントの深化、クリエイターとの距離縮小、新たな収益化パスの開拓といったことにつながるかもしれない。それは、現時点の広告メディアとしての価値がさらに上がることことを意味する。