このところYouTubeを見る機会が増えた。以前から仕事をしながら、YouTubeで音楽を聴いていた。ところが、最近はいくつかレギュラーで見る番組ができて、登録して見ている。昔で言えば、特定の深夜放送のパーソナリティーのラジオ番組を毎週聴いているような感じだろうか。実際に、その人の喋りだけ聴きながら仕事をしていることも多い。
しかし、私のようなケースは今までの普通で、テレビでYouTubeを見るケースが増えていると言う。Googleが10月に発表した資料によれば、コネクテッドTVでYouTubeを見る人の数は2,000万人以上だと言う。同じ資料が18歳以上の月間YouTube利用者数が6,900万人以上と発表しているので、3割近くもテレビを利用して見ることがあるようだ。確かに、私もテレビでYouTubeを見たことはある。テレビのリモコンにYouTubeのボタンがある機種が増えてきたので、これからもっと増えるだろう。
また総務省のデータでは、40代から50代のYouTube利用率は75%になっている。この階層でこれだけの利用があると、広告メディアとしてテレビと同等の影響力があると考えられる。
広告主がYouTubeを活用しようとすると、3つの方法がある。1番簡単なのはYouTubeで動画広告を流すこと。これはできれば、テレビで使っているものと同じではなく、YouTube用に作るか、少なくとも再編集は必要であろう。YouTube広告では5秒でスキップできる機能があり、できればこの5秒の中に重要なことが含まれている方が良い。2番目の方法は、YouTubeの中でフォロワーが多いインフルエンサーに、商品を提供して紹介してもらうような取り組みを進めることだ。もちろんこれについては交渉なので、成立しないケースもある。3番目は自らのチャネルを運営することだ。これは、魅力的なコンテンツ制作にかなりエネルギーがかかり、ハードルが高い。中途半端なコンテンツでは、却って逆効果になる。この方法は、少し別次元の方法と考えたほうが良いだろう。
最近、YouTubeが取り組んでいるのは、TikTokやSnapchatに対抗することだ。このために、新しいサービスとしてYouTubeShortsを開始している。これは60秒以下の縦型の動画を投稿できる新しいYouTubeのサービスだ。縦型と言うことでスマートフォンからのみ視聴や投稿ができる。TikTokやInstagramのReelsを見るような若い世代を対象としたものだ。YouTubeが力を入れているので、TikTokでどこまで対抗するのか注目される。
コンテンツとしても広告としても動画がこれからの主流になる事は間違いない。電通が発表している日本の広告費ではインターネット広告費の22%を動画広告が占める。その金額は3,862億円に達している。3年前の2017年にはシェアが9.5%の1,155億円だったことを考えると急成長していることがよくわかる。やはり動画の持つ情報量の多さや惹きつける力の強さは、広告においても重要となってきていることがよくわかる。YouTubeを始め、TikTokなどの各社の取り組みは、一方ではユーザーを、そして、もう一方ではこの広告費をめぐる争いだ。