Netflixがアメリカとカナダで値上げをした。値上げ幅は、1ドルから2ドル程度。前回の値上げは2020年の10月だから1年3ヶ月での値上げとなる。日本は今回は対象ではない。しかし、前回の北米の値上げの3ヶ月後に日本の料金も値上げになったので、同じように日本の料金もこの春には値上げになる可能性がある。
Netflixの料金には3種類あってある。1番安いベーシックプランは、低画質で1台だけしか視聴できない。スタンダードプランは、高画質で2台以上の端末で同時視聴ができる。プレミアムプランは4Kの高画質で、同時に4台まで見ることができる。ベーシックプランは、見た事はないが480pの画質と言うことで通常のインターネットの画像を少し見る程度なら良いが、映画などを楽しみたいのであれば、やはり高画質のスタンダードプランが欲しいところだ。
我が家では4Kまでは必要ないのでスタンダードプランで契約している。このスタンダードプランの現在の料金は1490円。これが高いか安いかはどれだけ利用するかによって変わってくる。以前DVDを借りていた頃は、毎月これ以上の金額を払っていた。それがNetflixでは、家族3人バラバラにテレビ、PC、タブレットで様々な番組を見ているので安いとも言える。
日本でのスタンダードプランの料金は2016年の参入当時は950円、それが2018年に1320円に値上げされ、さらに2020年1月に1490円となった。北米の1ドルから2ドルの値上げを考えると、今年の春にはこれが1600円程度になるのだろうか。つまり参入時から比べると1.7倍程度になると言うことだ。
Netflixは、もともとオンラインでDVDレンタル会社だった。1997年に創業している。当時は、ブロックバスターなどの強い競合もいる中でビジネスを開始した。月額15ドルで本数制限なしにDVDをレンタルでき、延滞料金・送料・手数料が全て無料を武器にして、DVDレンタルビジネスの1位となった。その後、2007年にはビデオオンデマンドのストリーミング配信サービスにビジネスを移行した。
2013年から自社オリジナルコンテンツを制作して、特に「ハウス・オブ・カード」は大きな話題となりNetflixの飛躍のきっかけになった。今も、積極的に自社コンテンツを制作して、いくつかの作品はアカデミー賞の候補にもなっている。最近話題になった「イカゲーム」もオリジナルコンテンツだ。
独自コンテンツの制作を進め、巨額のコンテンツ投資のために赤字が続いてきていた。それが、コロナ禍によるステイホームで流れが変わった。2020年に契約者が急速に増え、2億人を突破して、黒字化している。Zoomとともに、パンデミックが追い風になった会社の一つだ。
2021年には、伸びは少し低下したが、2022年1月現在の全世界の契約者数は2億2200万人となっている。そのうち35%がアメリカ国内と推定されているので、アメリカの値上げがボトムラインに大きく貢献する。
日本の契約者数は600万人程度とみられている。こちらもコロナ禍と韓国ドラマの人気で急速に行く契約者を伸ばした。Amazon Prime Videoについで、映像配信サービスの2位だ。
個人的には、最近はNetflixのラインナップを見てもあまりどうしても見たいものがないために、Amazon PrimeVideoを見るケースも増えてきた。今回の値上げで、乗り換えを検討するとなると、HBO Maxのコンテンツが見られるU-NEXTや、スター・ウォーズ派生のドラマなど、ラインナップを充実させてきているDisney+あたりが候補なのだろうか。U-NEXTは月額2189円で少し高いが、レンタル作品の視聴や電子書籍の購入、映画チケットの交換が可能な1200円分のポイントが付いてくるので、それを利用すると安くなる。Disney+はU-NEXTに比べるとコンテンツに偏りがあるが、990円とお得感がある。
コンテンツのラインアップを含めて家族で相談しなければいけないが、Netflixが1000円台後半になってくると乗り換えを検討するかもしれない。