Spotifyが黒字化か

by Shogo

2008年に創業したSpotifyはストリーミングの可能性にいち早く賭け、着実に成長を続けてきた。2013年にはアクティブユーザー数約3000万人、プレミアム会員数800万人だったが、2024年にはそれぞれ6億2600万人、2億4600万人と大幅に増加し、世界で最も人気のある音楽プラットフォームへと成長を遂げている。

しかしながら、ユーザー数の増加にもかかわらず、Spotifyは長年収益化に苦しんできた。2018年に上場し、現在約670億ドルの企業価値を持つSpotifyだが、2023年には5億3200万ユーロの純損失を計上し、2009年以降の累積損失は40億ユーロを超えている。しかし、2024年はSpotifyにとって転換期となる可能性があると報道されている。上半期には過去最高の4億7100万ユーロの利益を計上し、初の年間黒字化に向けて順調に進んでいるのだそうだ。

Spotifyの成長は、音楽業界全体にも大きな影響を与えた。国際レコード産業連盟(IFPI)の報告によると、2023年の世界の音楽市場規模は前年比10%増の286億ドルとなり、過去最高を記録した。これは、音楽業界が約20年間の低迷期を経て9年連続で成長を続けていることを示している。ストリーミングは193億ドルに達し、成長の最大の牽引役であることは間違いがない下記の。しかし、CD販売の復活とビニールレコードの人気の継続により、物理的パッケージ(CD、レコード、音楽ビデオ)の売上も増加し、51億ドルに達した。物理的パッケージの人気は最近の傾向だ。テイラー・スイフトのCDやレコードも爆発的に売れているようだ。人は、やはり物理的なものを手に取り、所有したくなるのかもしれない。

しかし、なぜか日本は例外だ。日本では、ずっとCDなどが売れ続けている。日本レコード協会によると、2023年のデータでは物理的パッケージの生産金額は202億円で、ストリーミングサービスからの売上は928億円だった。まだまだ、物理的パッケージは根強い需要がある。日本人は、所有欲やコレクション欲が強いのかもしれない。

とはいうものの、音楽は、ストリーミングが主流であることは間違いがない。そこでは、Spotifyが圧倒的に強い。各サービスのシェアは以下の通りだ。

  • Spotify: 30.5%
  • Apple Music: 13.7%
  • Tencent Music: 13.4%
  • Amazon Music: 13.3%
  • YouTube Music: 8.9%
  • Netease: 6.1%
  • Yandex: 2.2%
  • Deezer: 1.5%
  • その他: 10.2%

Spotifyは、音楽ストリーミングの先駆者として、その成長と影響力を世界中に広げている。そして、2024年には初の年間利益を達成する可能性が高く、今後のさらなる成長が期待される。しかし、競争の激しい市場で持続可能な収益性を確保するためには、今後もさまざまな課題に取り組む必要があるだろう。特に市場で多くのデバイスを持つAppleが更に追いかけることも予想される。今後のSpotifyの進化はどうなるだろうか。

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