暑さが脳に与える影響

by Shogo

毎日暑くて、炎天下を歩いていると肌が痛い。体に良くないかなと思っていると、今朝読んだ記事では、熱は脳にも良くないそうだ。

記事によれば、脳は体の中でも特に熱に敏感な臓器で、常に多くのエネルギーを消費しているため、思考や活動によって内部から熱を発生させる性質がある。この熱を適切に排出しないと、脳の機能はたちまち低下してしまうそうだ。脳の温度は通常、体温よりわずかに高い程度に保たれているが、この微妙なバランスが崩れると、脳細胞や神経伝達物質の働きが悪くなるらしい。

英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの神経科医は、気候変動が脳に与える影響の第一人者だそうだ。彼は、熱波の時期に神経疾患を持つ患者の症状が悪化するという家族からの訴えを頻繁に耳にし、この問題に本格的に取り組むようになったらしい。彼の研究によると、熱波はてんかん、脳卒中、多発性硬化症、片頭痛など、様々な神経系疾患を悪化させることがわかってきた。片頭痛も怖いが、多発性硬化症は、シリアスだ。

てんかんの一種であるドラベ症候群を患う患者の事例は、熱が神経疾患に与える影響の深刻さを示している。その患者は幼い頃から熱波のたびに発作を起こし、そのたびに家族は苦労してきたそうだ。その神経科医によると、熱は脳の体温調節機能を司る部分に影響を及ぼすため、もともと脳機能に問題を抱える患者は特に熱の影響を受けやすいという。

また、一部の神経疾患や精神疾患の治療薬の中には、体温調節機能を阻害するものがあり、服薬中の患者は熱中症のリスクがさらに高まる。これは、特定の薬剤が脳の働きに影響を及ぼし、体が自力で熱を冷ます能力を低下させるためだそうだ。

てんかんの患者だけではなく、脳の機能低下は誰にでも起こりうるという。熱波は、健康な人でも意思決定能力を低下させたり、リスクを過大評価したりする可能性があるそうだ。また、暑さによる睡眠不足は、気分を不安定にさせ、特定の症状を悪化させる一因となるという。

2003年のヨーロッパの熱波では、超過死亡の約7%が直接的な神経系の問題に関連していたというデータもあるようだ。これは、熱が脳に与える影響がいかに広範囲に及ぶかを示す事実だ。特に、高齢者は体温調節機能が低下しているため、熱の影響を受けやすい。また、認知症の患者は、水分補給を忘れたり、熱い時間帯に外出したりするなど、自己管理が難しくなるため、熱波時の入院や死亡率が増加するようだ。

熱による脳への影響は、個人の健康問題にとどまらず、暑さは暴力性や攻撃性の増加、気分の落ち込み、そして自殺リスクの上昇と関連付けられているという。これは、高温が脳内の神経伝達物質のバランスを崩し、感情のコントロールを困難にさせるためだそうだ。

記事中の神経科医は、今日、神経疾患を持つ人々に見られる現象は、気候変動が進むにつれて、いずれ健康な人々にも当てはまるようになるだろうと警鐘を鳴らしていた。日傘を買おうか迷っていたが、これは買ったほうが良さそうだ。

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