元FIFA会長のブラッター氏と元FIFA副会長で元UEFA会長のプラティニ氏が起訴されたと言う記事が出ていた。以前より話題になっていたが、今後、その裁判で何らかの結論が出るのだろう。記事の中で、今回の不正な支払いの対象となっている期間が1999年から2002年のことだと読んで、ちょうどその頃にお二人にあったことを思い出した。ブラッター氏には何度か会ったことがあるが、プラティニ氏はその時1度だけ。もう20年も前の話だ。それを調べて裁判まで持ち込んだスイスの警察の熱意を感じる。やはり、犯罪の捜査は最後までやらないと意味がない。
ちょうどその頃は、FIFAワールドカップ日韓大会の直前だった。ワールドカップについては、大会ごとに招致のための買収合戦があったとか、様々なお金にまつわる話が報道されてきた。それだけ、FIFAワールドカップと言うのはビックビジネスということだ。
だから、収益をあげ、またサッカーの普及のために新たな案が発表されている。出場国を増やすと言うことは決まったが、さらに、開催を4年周期から2年周期に変えて、より回数を増やそうと言う話が出ている。
提案をしているのは、日本でもなじみの深い、元グランパス監督のベンゲル氏だ。どちらかと言えばその後に監督になったアーセナルの方がはるかに有名だが、ベンゲル氏と言えばグランパスのことを思い出す。ベンゲル氏はアーセナルの監督を引退した後、FIFAのの幹部に就任している。
このFIFAワールドカップを2年周期にすると言うアイディアは、多くの人から非難されている。FIFAワールドカップがビックビジネスであるように、サッカー界にはたくさんの大会やリーグがビッグビジネスとして存在している。もしFIFAワールドカップが2年周期になれば、これに関わるクラブやリーグや選手にも大きな影響が出る。
もちろん賛成している人もいるから、ベンゲル氏も、この構想を発表したのだろう。サッカーファンは大賛成だろう。4年に1度しか見られなかった大会が2年に1度になるのだから、楽しみが増える。大会の収益を受け取ることができる世界のサッカー協会も同様だろう。
しかし、すでに各国リーグがあり、別に様々な大会がある。各大陸連盟別の大会が開かれているし、女子ワールドカップやヨーロッパ選手権、クラブワールドカップなど大会がひしめいている。このスケジュールの中で2年に一回の大会が可能だろうか。先日IOCのバッハ会長も反対を表明しているように、オリンピックとも重なってくる。
今後、このアイディアがそうなるか分からないが、多くの人の利害と、それぞれの人が関わる試合や大会のスケジュール調整など問題だらけで、すぐには解決できると思えない。さらにFIFAワールドカップは4年に1度だから価値があると言う考えもある。希少性がその価値の1つだからだ。