2021年4月に、ヨーロッパの有名クラブが、新しいリーグ、スーパーリーグ(the European Super League) を結成すると発表した。しかしながら、FIFAやヨーロッパ大陸連盟のUEFA、各国政府、サッカー関係者などが全面的に反対することによって48時間以内に計画は白紙に戻った。
この計画には、ヨーロッパの12のクラブが参加し、最終的にはスーパーリーグは20クラブによって構成される予定だった。創設メンバーの12クラブは、イギリスのアーセナル、チェルシー、リバプール、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム・ホットスパー、イタリアのインテル・ミラノ、ユベントス、ミラン、スペインのアトレティ・コマドリード、バルセロナ、レアルマドリードである。これに、他クラブが加わり、20クラブが参加し、入れ替えのないリーグで試合が行われる計画だった。
スーパーリーグは、発表以降、FIFAやUEFAという既存サッカー組織だけでなく、フランスのマクロン大統領やイギリスのジョンソン首相も反対を表明した。このようなことの結果、スーパーリーグの提唱者である12クラブも計画を白紙撤回した。
このいきさつがあるので、スーパーリーグの計画は完全に死んだものと思っていたが、まだ生きているようだ。レアル・マドリード、ユベントス、バルセロナの3クラブはまだ諦めておらず、FIFAやUEFAを欧州連合競争法違反として10月に訴えている。このニュースは見落としていた。
新しい計画では、スーパーリーグの入れ替えがあり、初期メンバーもスーパーリーグにずっと止まれる事はないと言うフォーマットだそうだ。ただし、その入れ替えがどのように行われるかは明確にされていない。
また、昨年参加を表明したプレミアリーグの6クラブについては、昨年の計画通り参加すると言う報道と、今回の計画には参加しないと言う報道の両方がありはっきりしていない。
このスーパーリーグの計画の背景には、FIFAワールドカップの拡大による代表戦の増加、チャンピオンズリーグの拡大によるクラブの試合数の増加などがあり、サッカーカレンダーの過密によるクラブ経営の困難さが背景にある。そのような中で巨大企業化しているクラブ経営者が、自らの利益を守るために、独自のリーグを持ちたいと言うことのようだ。
当然反対しているUEFAは、昨年のコロナ禍の最中にスーパーリーグを発表したクラブ経営者は、今回は戦争の最中にまた計画を発表したと非難している。
ヨーロッパのサッカーの既存秩序を破壊しようとしているスーパーリーグが、果たして計画が進むのか、進む場合に、態度のはっきりしていないプレミアリーグのチームが参加するのか、現時点の報道だけではまだよくわからない。