MLB開幕と放送権

by Shogo

労使交渉で遅れていたMLBが開幕した。大谷翔平は開幕試合に1番投手で出場して歴史に名前を刻んだ。打者としてはヒットはなかったが、9三振を奪った。結果は残念ながら敗戦投手になってしまったが、これは大谷翔平の問題ではなく、リリーフ投手も含めたチームの問題だ。

日本ではすでに開幕していて、1敗しかしていないソフトバンクと1勝しかしていない阪神と、面白い展開だ。あまり、差が開かずシーズンが進むことを祈ろう。

その大谷翔平の試合を東京で見られるかもしれない言うニュースも出ていた。2025年の東京での開幕シリーズが決定しているようだ。当然MLBとしては日本で注目が集まるような試合を組むと思われるので、大谷翔平のロサンゼルス・エンジェルスが来日する可能性は高い。2019年には、イチローのシアトル・マリナーズが選ばれた。その東京でのマリナーズ対アスレチックス戦がイチローの引退試合となった。あの試合を見に行けたのは、幸運だった。イチローの姿が目に焼き付いている。

MLBの東京開幕シリーズは、過去にも何度も例がある。これはMLBの年間試合数が162試合で、日本は1996年までは130試合だった関係で、開幕日がアメリカの方が早かったから可能だった。しかし今は日本のプロ野球も143試合に増え、開幕日が繰り上がっているために、MLBとNPBが話し合って日程を調整するのであろう。

ただし、東京開幕シリーズのチームのファンからは苦情が多いとも聞く、やはり開幕日と言うのは貴重なイベントであり、それが地元から奪われることについてファンは快く思わないようだ。一方、MLBとしては海外展開の手段としてその開幕シリーズも利用している。東京やロンドンなどアメリカ・カナダ以外の試合が計画され、ポストシーズンの試合も同様だ。ここは、ファンには泣いてもらうしかないと言う考えだろう。

このところのMLBの話題としては、オンライン配信の話が多い。Apple +とは金曜日の2試合の独占配信契約を結んで、それが開始される。さらにNBCユニバーサルのPeacockと日曜日の早い時間に新しい時間帯を設けて、その試合を独占で配信することが発表された。今年に関しては18試合が予定されている。この新しい時間帯は、アメリカ東海岸時間の午前11時30分からだ。この時間はまだ西海岸では8時30分のため、早朝に試合が放送される。このために、この時間帯の試合は東海岸で行われるものと思われる。

このようにMLBは膨大な試合数があるから、曜日や時間帯の試合を放送局や配信サービスに切り分けて放送権を販売することも簡単なことだろう。日本では広島東洋カープを除いて全てのチームが、オンライン配信をDAZNと契約をしている。だから、広島東洋カープのビジターの試合はDAZNで見られるが、ホームの試合については、配信サービスで見るためにはJ Sportsオンデマンドの契約が必要だ。こちらはDAZNが大幅値上げをしたために、今となっては少し格安に見える。

日本では放送権を各チームが持っているのでアメリカのMLBのようにリーグ全体として時間帯や曜日で切り分けて売るような事はできない。アメリカのような形で配信サービスに曜日と時間帯で分けてリーグ全体で管理すればテレビ放送局や配信サービスとの様々な調整が可能で、新たな収益を見出せるのだろうが、各チームが個別に販売するとなると効果的な切り分けができない。その代表例が広島東洋カープの放送権の販売の現状である。

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