炭化けい素と半導体の未来

by Shogo

テスラの成功は、イーロンマスク氏を世界一の金持ちにした。テスラを成功させているのは、マスク氏が指揮する、新しい取り組みだ。

半導体不足により自動車産業含め様々な製造業が大きな影響与えている。しかしテスラでは、外部からソフトウェアを調達している他の自動車会社と違い、社内にソフトウェアエンジニアがいて、必要なソフトウェアを車内で全て書いている。このために、手に入る半導体を使って、ソフトウェアを書き換えて生産が継続できると言う記事を以前に読んだ。

ニューヨークタイムスで読んだ記事は、テスラが炭化けい素と言う素材から作られた部品を使って、電気効率を上げていると言う話だ。この炭化けい素と言う素材は初めて聞いた。炭素とケイ素の化合物で、天然には隕石の中に存在が確認だけだそうだ。つまり普通は地球上には存在物しない物質だ。硬く耐熱性に優れて化学的に安定していることから、ダイアモンドとシリコンの中間的な物質をされる。新しい素材ではなく、すでに19世紀末には工業的に製造されていたようだ。

テスラはモデル3の発売時に、この炭化けい素を使ったチップを、バッテリーから電気を取り出してモーターに送るトラクション・インバーターという重要な部品に組み込んだ。この炭化けい素を使ったチップは効率が良く、このために自動車の走行距離を最大10%向上させることができたと言う。モデル3の成功の一つの要因は、この炭化けい素を使ったチップである。

このテスラの成功を受けて、すでに多くの自動車会社はトラクション・インバーターでだけではなく、エアコンなどを含むすべての電気部品に炭化けい素を使用しようとしている。通常のシリコンのチップよりもはるかに高価だが、電気自動車にとって1番重要な電気の効率化のためには大きなメリットがあると、多くの自動車会社が判断していると言う。

現在の我々の生活は、あらゆる面でシリコンを使った半導体チップによって成り立っている。効率の良い炭化けい素がシリコンに代われば、電気使用の効率がよくなる。化石燃料からクリーンエネルギーへの切り替えを急がなければいけない現在、電力の効率化は最も重要な課題である。炭化けい素による半導体部品は、そのために重要な役割が今後果たすとことになるようだ。

さらに炭化けい素と同じような効率の良い半導体の材料がいくつも開発されている事が記事の中で触れられていた。

その1つは、ノーベル賞受賞した中村教授らが開発した青色LEDの材料である窒化ガリウムだ。この窒化ガリウムは、すでに充電のアダプターで実用化されている。窒化ガリウムを使ったアダプターは従来のものより小型ではるかに効率的だと言う。昨年発売されたMacBook用の充電器のトランジスタは窒化ガリウムを使っている。通常のアダプターより電力損失を4倍も削減できると言う。そう言えば、最近購入したAnkerの充電器は従来に比べものに比べてはるかに小型だが、多分この窒化ガリウムを使っているのであろう。

炭化けい素や窒化カリウムだけではなくてさらに効率の良い材料の開発も進んでいると言う。その中の1つは日本の情報通信研究機構が発表した酸化ガリウムだ。これは他の効率の良い材料に比べても、はるかに電気効率が良く良いと言う。実用化が待たれる。

新素材を使った半導体が多くの場所で使われるようになると、電気自動車は今よりも長い距離を走り、熱や電気の使用量で問題になっているデータセンターは、省スペースになり電力使用や熱を抑えることができるようになる。

ムーアの法則により半導体の効率がどんどん上がっている事は有名だが、半導体に使われるシリコンが、新しい素材に置き換えられさらに効率が進むと言うような事は初めて知った。

現在の半導体不足やエネルギー危機を奇貨として、早急に新素材に切り替えてさらに、効率の良い電力使用により、温暖化が抑えられるのあればこれ以上素晴らしい事は無い。

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