スマホの普及に伴い、生活のあらゆる面がデジタル化されつつある。その流れは身分証明書にも及び、特にアメリカでは運転免許証のデジタル化が急速に進んでいる。AppleはiPhoneユーザー向けに「Apple Wallet」アプリ内で運転免許証や州発行IDを保存・表示できる機能を提供し始めたという。
2024年9月19日、Appleはカリフォルニア州の一部の住民がApple Walletに運転免許証と州IDを追加できるようになったと発表した。これはカリフォルニア州自動車局のモバイル運転免許証パイロットプログラムの一環として実施されており、現在150万人の参加者に限定されている。
スマホで便利になったことはいくつもあるが、クレジットカードや飛行機の搭乗券がアプリに登録できるようになったことだ。これは、本当に便利だ。買い物で、財布を出さなくても良いし、空港で搭乗券を探す必要もない。
アメリカのApple Walletに免許証の登録は、カリフォルニア州以外にも、アリゾナ州、コロラド州、ジョージア州、ハワイ州、メリーランド州、オハイオ州の6州でも利用可能になるようだ。さらに、モンタナ州、ニューメキシコ州、ウェストバージニア州も導入を予定している。
AppleだけでなくGoogleやSamsungもデジタル免許証の導入を進めているようだ。GoogleはGoogle Walletアプリで運転免許証や州IDを保存する機能を展開中で、すでにカリフォルニア州を含む5つの州で利用可能だそうだ
日本もスマホでのマイナンバーカード対応が始まっている。マイナンバーカードは、普及の問題を抱えているが、保険証や免許証として使えるアプリ版のマイナンバーカードになれば、もっと普及が進むだろう。残念なことに、先にAndroidで始まり、iPhoneは遅れるようだ。まだ、今のところ免許証の話は出ていない。個人的は、Apple Walletのマイナンバーカード(+保険証や免許証)が待ちきれない。
デジタルマイナンバーカードの導入は、技術的な課題というよりも、法的・行政的な問題の方が大きいだろう。だが、その問題は日本では解決済みで、iPhoneが遅れるのは技術的なことだから、もう少しの辛抱だ。免許証もいずれ、統合されるだろう。
デジタル証明書の普及は、日常生活に大きな変化をもたらす。何より持ち歩くカードが少なくなるのはうれしい。そして、スマホなら直ぐに取り出せるから便利だ。何なら銀行のカードも含めて全てアプリ対応にして欲しいものだ。
だが、そうなればリスクも当然でてくる。便利さと安全性のバランスを取りながら、新しい技術を使っていかなければいけないのだろう。そのためには、スマホには、生体認証だけでなく、多段階の認証も含めての工夫が必要になるのだろう。それが厳重なら面倒だから、音声認識のキーワードなどを追加するのはどうだろうか。例えば「開けゴマ」だ。