インターネットの普及に伴って、データセンターは必要不可欠なインフラとなっている。膨大な量のデータを処理・保管するこれらの施設は、通信やストレージシステムの中核を担い、ビッグデータ時代を支えている。同時に、データセンターの設置場所は、国家戦略上の重要な課題となり、戦争、テロや災害への対策も重要になっている。
データセンターとは、コンピュータシステム、特に通信およびストレージ用のサーバ類を収容するために使用される建物または建物のグループのことだ。クラウドコンピューティング、AI、IoTなどの技術が重要性をますにつれ、データセンターの重要性はますます高まってきた。
データ センター、クラウド サービス プロバイダー (CSP)向けの接続ディレクトリを提供しているCloudsceneプラットフォームによると、2024年3月時点で世界中で稼働しているデータセンターの数は11,800を超えている。これらのデータセンターは世界中に分散していますが、その分布は均等ではない。
最も多いのは、米国で5,388のデータセンターを擁し、世界全体の45%を占めている。これは2位のドイツ(520)の10倍以上であり、米国の圧倒的な優位性を示している
国別ランキングは以下。
- 1.アメリカ合衆国: 5,388カ所 (世界全体の45%)
- 2.ドイツ: 520カ所
- 3.イギリス: 512カ所
- 4.中国: 449カ所
- 5.カナダ: 336カ所
- 6.フランス: 316カ所
- 7.オーストラリア: 307カ所
- 8.オランダ: 297カ所
- 9.ロシア: 251カ所
- 10.日本: 219カ所
日本の経済規模や人口を考えると、これほど順位が低いのは理由が分からない。基本的には、データセンターの数は、各国のデジタルインフラの整備状況や、データ処理能力を示す重要な指標となる。データセンターが多い国は、それだけ多くのデータを処理・保管できる能力を持っていると言える。
米国がデータセンター数で圧倒的首位を占めているのは、米国がIT産業において世界をリードしていること、そして広大な国土と豊富な電力資源を持っていることなどが背景にある。
一方、中国は近年、データセンターの建設に力を入れており、急速にその数を増やしているという。これは、中国がデジタル経済大国を目指していることの表れだ。
しかし、日本のデータセンター数は少ないのは、インフラ整備の遅れなのか、デジタル化が遅れているのためなのか理由が不明だ。日本は国土が狭く、地震などの自然災害も多いことから、データセンターの建設には様々な制約があるのは事実だ。しかし、だからこそ、企業や政府は、データセンターの重要性を認識し、その整備に積極的に取り組むべきだろう。
データセンターは、今後もその重要性を増していくと予想される。5G、AI、IoTなどの技術の普及に伴い、データ量は爆発的に増加していく。それに対応するため、世界中でデータセンターの建設が加速していくのは確実だ。
同時に、データセンターのエネルギー消費量や環境負荷の問題も深刻化している。そのため、省エネルギー技術の開発や再生可能エネルギーの活用など、環境に配慮したデータセンターの構築が求められている。日本は、このような分野で技術を開発して、それでデータセンターを整備して、その技術を海外に売ってゆくということを考えたらどうだろうか。
だが、事態は、その方に動かず違う方向に行っている。GoogleやAmazonなどは、データセンター用の電力確保のために原子力発電に頼ろうとしているようだ。これが、実現するかどう心配な状況になってきた。