AIチャットボットは、毎日のようにニュースがある。また新たな動きがありました。今度は、Anthropic社の「Claude」が、ウェブ検索機能を実装したニュースだ。これにより、Claudeはリアルタイムの情報をインターネットから直接取得し、引用元を明示しながら回答を提供できるようになった。すでに、同様の機能は、Perplexityに備わっているし、競合のChatGPTやGoogleのGeminiも実装している。
この機能は、まず米国の有料ユーザー向けに提供され、その後無料ユーザーや他の地域にも拡大される予定だそうだ。だから、まだ日本では使えないし、いつ提供されるかも明らかになっていない。
Anthropic社のブログによると、Claudeは単に検索結果を表示するだけでなく、それらを読みやすい回答にまとめ、引用元を明示するそうだ。ここまでは競合と同じだ。だが、NPRやロイターといった信頼性の高い情報源に加え、Xのようなソーシャルメディアプラットフォームからも情報を取得することができるようだ。
しかし、ネット情報によると、初期のテスターからは、ウェブ検索が常に一貫しているわけではないという指摘もあったようだ。だが、全体的には肯定的な反応が目立つ。Yahoo Financeは、Claudeが常に最新ニュースを表示するわけではないと指摘し、改善の余地があることを示唆した。Anthropic社もこの点を認識しており、この機能を継続的な改善を伴うプレビュー版と位置づけている。
今回のアップデートは、AI企業が競争を繰り広げる中で行われた。わずか3週間前、Anthropic社は35億ドルの資金調達に成功し、企業価値は615億ドルに達した。GoogleやAmazonといった大手企業がその将来性に大きな期待を寄せて出資しており、ClaudeとAmazonのAlexa+やAWS Bedrockとの統合は、消費者市場と企業市場の両方への本格的な進出を意味する。
このリリースのタイミングも偶然ではないだろう。Anthropic社がウェブ検索機能を公開したのとほぼ同時に、xAIのGrok 3が話題になっており、リアルタイム機能がAIチャットボットに求められる標準機能となりつつあることを裏付けている。逆にいうと、Claudeのリアルタイム機能で、Grok 3が差別化ポイントを一つ失う。
しかし、Claudeのこれは単に競合他社に追いつくだけでなく、ClaudeもGoogleの検索における優位性に挑戦することを意味する。ClaudeのようなAIチャットボットがウェブコンテンツの取得と統合能力を向上させ続ければ、検索エンジンと生成AIチャットボットの境界はますます薄れてゆく。今後は、Googleも一部の検索市場シェアを失う可能性があるだろう。
これはまだ始まりに過ぎないようだ。Financial Timesは、Anthropic社がClaudeの音声機能を開発中であると報じており、よりインタラクティブなAI体験へのシフトを示唆している。これは、OpenAIにとっても、さらに脅威となるかもしれない。
少なくとも現時点でも、ウェブ検索機能がClaudeの一部となったことで、生成AIチャットボット分野の競争はさらに激化し、結果的にGoogleの検索市場シェアを奪う。