TikTokがアメリカ政府を訴えるらしい。らしいというのはまだ「訴えた」と報道はないからだ。
このところ、TikTokのニュースが多いのは2つの理由がある。一つは、安全保障を理由に民間の経済活動がどこまで制限されるのかということ。これについてはファーウエイも含めて、中国企業が特殊ということがあるのかもしれないので特例と言うべきかもしれない。中国企業は中国の安全保障の法律で全ての情報を国家に開示することを義務つけられている。この点で純粋に民間の経済活動とも言えないのかもしれない。昔から
同様の経済活動の制限はあることにはある。古くは東芝のココム事件などがある。
もう一つは、インターネットはグローバルという幻想だ。グローバルであるがゆえにアメリカのインターネット・プラットフォームは国境を超えて活動し、世界を相手に莫大な利益を上げている。デジタルビジネスの増収逓増の法則により利益額は急上昇して、ローカルの同様のビジネスを駆逐してしまう。ヨーロッパでも日本でもどこでもアメリカ発のプラットフォームに対抗できるビジネスは育っていない。例外は、中国だ。Facebook, Twitter, YouTube やWhatsAppは中国では活動できない。その空白地帯に同様のサービスを中国の優秀な技術者が開発したビジネスが巨大な人口を相手に活動している。中国の技術者がアメ以下のサービスの真似をしていると行っているわけでは無い。逆もある。中国のサービスを世界各国の技術者がコピーして起業するケースもあるだろう。言いたいのは、中国のマーケットを鎖国して自国のサービスを育てることになっている。主な目的はイデオロギーだろうが、結果はそうなっている。これはかつての日本もそうだった。高い関税や非関税障壁により自国の産業の保護を行なっていたが、それはもう過去になった。中国は、インターネットビジネスについても同様なことを結果的に行なっている。これに対してトランプ政権が、個人情報保護を理由に同様なことを行なっているのか、意図は不明だが、インターネットも自国保護主義に向かうきっかけかもしれない。 インターネット=グローバルという幻想がいつまで続くのか