Is anyting possible?
“Anything is possble.”というこのコピーを見たとき冗談だと思った。でもこの店構えや品揃え、王府井に2店目をオープンしたことなど考えて、冗談ではありえない。かなり本気だと思う。でも何もadidasの有名なコピーの”Impossible is nothing.”の真似だと思われるようなコピーを採用する必要はないのに。英語だけでは中国語のコピーも同じ内容だし、ターゲットとする若者はこれくらいな英語は簡単に解かる。どのような思考回路がこの猿真似を認めるというのか。道端の露天商でニセモノを作って売っているのであれば分かるのだが。
中国以外では、このようなコピーを採用することはありえないと思う。知的所有権の問題ではなく企業としての誇りとして、他人のコピーを真似するということはない。また、そのことによる誤認を恐れると考えられる。
ニセモノブランド商品の横行が、他人の創造のコピーへの心理的障壁を下げているのだろうか。また、それを見る消費者もコピーをおかしいと思わないように教育されてしまっているのだろうか。いずれにせよ、中国でしか見られない現象だ。
聞くところによると、この李宁(リー・ニン)さんという人は、元有名な体操の選手だそうだ。それで、スポーツ選手として初めて起業して成功した人か、あるいはスポーツ選手として起業して初めて成功した人のどちらかだそうだ。
Li-Ningの商品の品揃えはあらゆるスポーツの靴・ウエアなど、adidasやNIKEと同じだ。その価格帯はadidasやNIKEの似たようなものの半額から6掛けといった感じで値段は安い。でもものは悪くなさそうで、これならブランドを気にしないなら売れそうだ。それにadidasやNIKEはあまりにも高いから買える人は限られているだろう。
もしかすると、ここにコピーの真似が関係ない理由があるのかもしれない。adidasやNIKEを買えない人には、初めからadidasやNIKEの合法的なコピーとしてLee-Ningが存在している。だから、広告のコピーも似ていなければならないのかもしれない。
旗艦店のオープニング告知広告が設置されている。
すぐ近くにはadidasの店も2店舗、NIKEも1店舗
北京のあちこちで、adidasやNIKEの巨大な広告を見かける。特にバスケットボールは中国ですごい人気で、米国外でのNBAの最大のマーケットということだ。
中国の生んだNBAのスター、姚明(ヤン・ミン)の顔はあちこちの広告で見かけて人気の高さをうかがわせる。