日常的にも物価の上昇を実感できる。値段が変わっていなくても、容量が変わってるということも多い。日本の2022年のインフレ率は10月時点までは3%程度で推移している。OECDの予測では、 2023年にはインフレ率は低くなり、またデフレに逆戻りの見込みもある。だが、日本以外の国では、インフレが急速に進んでいる。少し古い数字だが、8月のインフレ率は米国が8.3%、ユーロ圏で9.1%となっている。
このインフレの環境下で、実質賃金の伸びは、むしろマイナスになっている国が多いようだ。OECDの調査によると、最も実質賃金の低下した国は、チェコで− 8.9%だ。続くのは2位のスペインで−5.4%、3位がドイツ− 4.3%。ここまでかなり低下している。4位がイギリス− 2.7%、5位がアメリカ− 2.2%、 6位に日本− 1.5%、7位がカナダで− 1.2%。8位にフランスが− 0.8%が主なところだ。
これで見ると日本はインフレ率上昇が緩やかで、賃金もほとんど上がっていないことがよくわかる。対して、ヨーロッパの一部やアメリカは高い賃金の上昇があったことが分かる。2022年はロシアのウクライナ侵略で、エネルギー価格が上昇したこのため、平均賃金の伸びは、物価の上昇に追いつかず、多くの国で実質的手にはマイナスの賃金となっている。
特にチェコ、スペイン、ドイツは落ち込みが大きく、政府の物価抑制などの政策の違いもあるのかもしれない。
日本は他国に比べるとインフレ率が低いこともあるが、それよりも景気の不透明さから企業の賃金の伸びが低いのだろう。2023年も明るい見通しがないことから、同じような閉塞した空気の中で生きてゆくのだろう。
起きていて、サッカーを見ようとしたが寝てしまい、目が覚めたときには後半戦に入った後で、試合終了後に前半を見直した。
メッシは35歳になって、やっと母国に36年ぶりの優勝をもたらした。5度目の挑戦と言うことだ。ムバッペも、この試合で2つのペナルティーを含むハットトリックを達成して、通算8得点で大会の得点王となった。
延長戦で3対3となりPK戦に突入と言うことで、やはり、ゴールの多い、攻める試合は面白い。それにしても、なんとドラマチック試合だったのか。後半80分を過ぎてからフランスがムバッペのゴールで追いついて延長に入り、延長でそれぞれ1点ずつ追加してPK戦。しかも、延長でゴールを決めたのがメッシで、それに追いついたのがムバッペのハットトリックの3点目という、まるで映画のストーリーのような展開だ。スポーツは筋書きのないドラマとよく言われる。だから、思い描いた通りのストーリーが実現すると心地良いのかもしれない。良い試合だった。後半から見始めたが、ワールドカップの決勝として珍しく興奮した。
会場埋め尽くしているアルゼンチンのファンも喜んでるだろう。昔、トヨタカップの時代にも、アルゼンチンのチームが出場したときには、アルゼンチンからファンが飛行機をチャーターして東京まで応援に来た。今回のワールドカップでもファンが会場を埋め尽くしている。だが、アルゼンチンのインフレ率は年間で80%を超えるような見込みもあるようだ。実質賃金の低下もかなり大きいと想像できる。生活の苦しさを今回のワールドカップの優勝が忘れさせてくれるのだろうか。