FIFAの収入が115億ドルに増加見込

by Shogo

FIFAワールドカップ2022の決勝戦はあまりに凄い試合だったので、あちらこちらで話題が尽き無い。メッシが5回目の出場でやっと優勝してアルゼンチンはお祭り騒ぎのようだ。

今回のワールドカップでメッシのワールドカップでの得点数は13点となった。5回の出場で13点とは、メッシのレベルの選手としては、あまり高い数字とは言えない。そこが、今回の優勝まで、アルゼンチンではメッシが非難される理由だったのだろう。だが、昨年のコパ・アメリカや今回の優勝で、非難は過去のものとなった。

現時点で歴代の得点王はドイツ代表のミロスラフ・クローゼの16.点だ。2位は、ブラジル代表のロナウドの15点。3位はドイツ代表のトーマス・ミュラーの14点となり、そして1958年大会一回で13点取ったフランス代表のジェスト、フォンテーヌと並んで、メッシの13点が4位タイ。続く12点をとっているのが、ブラジル代表のペルとフランス代表のムバッペ。ムバッペはまだ2回の出場で、若いからこの記録を伸ばして、クローゼの16点の記録を塗り替える事は確実だろう。今の勢いなら、次回2026年大会でそうなるだろう。今後もメッシやムバッペのような選手が現れてサッカーの人気はますます高くなる。

大会前にはカタールの人権問題、買収、工事期間中の労働者の死亡など多くの問題が指摘されていた。だが、一度試合が始まると、その話はどこかへ行ってしまい、カタールは、世界に、その豊かさを誇示するという目的を達成したように見える。優勝セレモニーでメッシに黒い民族衣装を着せたことも、その目的の一つなのかもしれない。優勝カップを掲げている表彰の写真に、なぜか黒いものを着ているメッシの写真が今後何度も現れてカタールの横暴さを思い出させてくれる。

ともかく、カタールにとってもFIFAにとっても、今回の大会も大成功だったと言えるだろう。だが、その裏では買収だけでなく様々な問題があった。1つはヨーロッパの国々が企画したOne Loveのキャプテンマークを着用を、FIFAが押しつぶしたことに代表される。FIFAとしては、できるだけ金払いの良いカタールを刺激しなかったと言うことだろう。

大会の成功のおかげで、FIFAの収益は2019年から2022年のサイクルで予算よりも10億ドル多い、75億ドルに達したそうだ。FIFAやIOCは4年に1度の大きな大会を持つために、一般の企業のように1年サイクルの予算期は重要では無い。4年サイクルの予算期で組織が運営されている。

しかし、次の4年のサイクルである2023年から2026年の収益見込みは115億ドルだと言う。これは50%もの増加だ。放送権収入やスポンサーシップ収入の大幅な増加を見込んでいる。理由は巨大な市場である北米で開催されることが大きい。また、次の2026年大会の参加チームは現在の32チームから48チームに増え、試合数が増えることも影響するのかもしれない。

現時点では、1次リーグは、3チームの16グループとで行い、全体で80試合程度予定していた。しかし3チームのリーグ戦では合議あるいは非合議の引き分けなどで同率首位が生まれる可能性があり、現在と同じ4チームで12グループの案も浮上している。その場合の試合数は104となり、有力クラブや大陸連盟、特にヨーロッパからの反対の声も多いようだ。

話を予算に戻すとFIFAの110億ドルの見込の巨大さは、IOCと比べるとよくわかる。IOCの2017年から2021年サイクルの収益は76億ドルだった。次のサイクルの見込みは発表されていないのが、オリンピックの現在の状況考えると、大幅に増えるとは思えない。IOC よりFIFAが圧倒的に大きな予算を持つことになる。しかも、その競技数を考えると、IOCは多くの競技に関係するが、FIFAはたった一競技だ。

どちらの組織も放送権収入とスポンサーシップ収入が柱で、FIFAの場合85%程度を占める。IOCも同じような割合である。

FIFAは、現在でも世界最大のスポーツ組織と言えるが、その巨大は今後も成長を続けそうだ。それはやはりサッカーと言うスポーツが世界中で最もプレーされ、見られ、愛されるスポーツだからなのだろう。そして、その人気のゆえに世界の政治と切っても切れない関係があり、今回のカタールのような政府が、その人気を利用することも続く。

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