先日、火星の2つの月の話を読んだばかりだが、木星と土星の月の数が、どちらが多いかと言う記事を読んだ。地球人としては、月といえば夜に空に浮かぶ1つの月を思い浮かべるが、木星と土星の月の数は桁違いに多い
今月、国際天文学連盟は、新たに発見された土星の衛星を62個追加で認定するそうだ。この結果、土星の衛星の数は145個になり、木星の95個を上回って、太陽系で最も月の多い星となるようだ。
145個と95個なので、地球の1個とは比べ物にならない。地球人にとっては、空に浮かぶ月は1つだが、木星や土星で見上げる月は、たくさんあることになる。空に明るい月がたくさん輝いている風景を見てみたいものだ。
しかしながら、地球人にとって月はあの大きさだが、木星と土星の月は、はるかに小さいものがたくさんあるようだ。地球の月の直径は約3500キロメートル。これが地球から38万4400キロ離れたところに浮かんでいる。
しかしながら、土星の衛星で最も大きいタイタンような、直径が5149キロメートルもありる月もあるが、多くの月は直径が2kmから3kmだそうだ。しかも土星からは、1千万キロから2千万キロも離れており、正確には分からないが、地球から見た明るい星と同程度にしか見えないのかもしれない。一番大きいタイタンでも、土星からの距離は120万キロほど離れているので、地球の月より小さく見えるのだろう。だから、最初に記事を読んだときに思った、空にたくさんの月が浮かんでいるイメージとは実態は、かなり違っているようだ。
そこで、月とは何かと言うことを調べてみると、月の定義は惑星を周回する天体である事だけのようだ。その大きさは定義には含まれていない。
土星の衛星の数が木星の衛星の数を抜いたが、今年の3月には木星で新たに12個の衛星が発見され、この時点では木星が最も多い衛星を持つ惑星に認定されていた。それが今回の新たな62箇の追加認定により、土星が木星が、最も多くの衛星を持つ惑星になる。
正式決定までは、少し時間がかかるようだ。定義に含まれているように、通過している彗星などではなく、周回軌道を待っているかどうかを時間をかけて確認しなければいけないためだ。
土星の衛星のタイタンは、太陽系で最も大きな衛星で、液体の水が存在することが知られており、太陽系で唯一、大気がある衛星とも知られている。メタンでできた大気だが、雲や雨などの循環が起こっており、それが湖や海を形作っているようだ。しかも、有機物があることも知られており、生命の誕生の研究のためには最適な環境だそうだ
これは、NASAの探索機、カッシーニが2017年まで20年間にわたり、土星の20個の衛星を観測し、そのデータ送られてきたことからわかった。また、カッシーニは、タイタン以外にも土星の衛星のフェーベの表面に大量の氷も発見している。カッシーニは、すでに2017年に大気で燃え尽きたようだが、NASAは、新たにドラゴンフライと言う探査機を飛ばす準備をしているそうだ。これにより、さらに土星の衛星についてよく分かるのだろう。
地球やウィルスのことがよくわかっていないのに、宇宙のはずれの土星の衛星の事などよくわからないのが、当然だ。だが、いつの日か誰かが土星から145個の月を見上げる日が来るのだろうか。土星は密度が低く、大気の雲が厚いようなので、その地表から月を見ることが可能かどうかは分からないが。