世界のモバイルデータ通信の価格を見て、日本のデジタル化が進んでないことの原因と結果が日本のモバイルデータ通信の価格の高さだと感じた。
世界で最も1ギガあたりの通信料は安いのはイスラエルで0.04ドル。続いて、イタリアの0.12ドル、サン・サンマリノの0.14ドル、フィジーが0.15ドル、5位がインドの0.17ドルとなっている。
この価格に対して、日本の1ギガあたりの価格は3.85ドルで、アジアでは韓国の12.5ドル、英国領インド洋地域の5ドルについて3番目に高い。話題から外れるが、この英国領インド洋地域と言うイギリスの海外領土の事は、これまでまるで知らなかった。その地域のいくつかの島は、1976年にモーリシャスとして独立して、その残った地域のようだ。
このデータは、イギリスの価格比較サイトのcable.uk.co.が、世界の233の国と地域の5,000以上のプランのモバイルインターネットの1ギガバイトの平均価格を比較した結果だ。
韓国の異常な高さは別にして、日本の価格は、ヨーロッパ各国や中国などに比べて遙かに高い。イスラエルと比べたら100倍近い。アメリカが5.62ドルなので、日本より50%ほど高いが、ヨーロッパ各国はほとんどがドイツを除いて、1ドル未満なので日本の価格よりはるかに安い。菅内閣の時代に提案された日本の通信料金の値下げが十分に実行されなかったことがよくわかる。その結果が、楽天を除く通信各社の利益額の大きさだ。
世界の傾向を見ると、島国はフィジーなどを除いて一般的に高くなっているようだ。これはコストの問題もあるかもしれない。それから、通信料金は日本と同じように政府の規制があるので、自由に決められているわけではないと思われる。このために通信インフラをモバイル通信に頼っている新興国の多くは、通信料金が低く抑えられていると想像する。
通信料金の値下げは話題になっただけで、実際には大きくは変わっていない。日本も、ヨーロッパ諸国のような1ドル未満とはいかなくてもドイツの2.67ドルあたりまで、もう30%ほどカットすべきではないのかと考える。
通信回線のデータ料が安くなれば、それに伴って様々なサービスやコンテンツの産業が発展する。今後の日本の経済の発展の方向性としても、そちらの方面に投資すべきであり、インフレや経済停滞で可処分所得が減っている中で、ソフトやアプリのほうに消費が向かうような政策が望ましい。