早いもので、日本で開催されたラグビーワールドカップから4年経とうとしている。4年前の今頃はチケットの販売が順調に進んでいた。ちょうど、いくつかの苦戦している試合について全席をどうすれば販売できるかを考えていた頃だ。
あれから4年経って、今年はフランスで開催される。その後は、決まっているラグビーワールドカップの予定では、2027年にオーストラリアで、そして2031年には、アメリカで開催される。
主催団体であるワールドラグビーは、今年のフランスや2027年のオーストラリアと、ラグビーの人気の高い国で、安定した大会を決めて、2031年の大会は多少のギャンブルでアメリカで行うと言うことなのだろう。それは2015年のイングランド大会と2019年の日本大会を同時に決めて安定した大会とギャンブルの大会でバランスをとったのと同じだ。
FIFAも1994年にアメリカ大会を開催し、サッカー不毛の地と言われたアメリカにサッカーを根付かせることに成功した。ワールドカップをきっかけにして生まれたメジャーリーグサッカー(MLS)は、その後順調に成長し、今やリオネル・メッシと契約するチームも出てきているほどだ。
アメリカは世界一のスポーツ大国と言って良いだろう。その中でもメジャーなスポーツはバスケットボール、アメリカンフットボール、野球だ。そのプロリーグであるNBA 、NFL、 MLBは、スポーツビジネスにおいても、メディアビジネスにおいても確固たる地位を占めている。
規模はやや落ちるが。アイスホッケーとサッカーが、若い世代に人気があり、プロリーグであるNFLとMLSはアメリカのスポーツビジネスビジネスで成長を続けている。問題は、ここにラグビーが入れるかどうかだ。世界一のアメリカ市場で成功できるかが、スポーツの普及にとっても、そのスポーツの世界統括団体であるワールドラグビーのビジネスにとっても重要なことだ。
アメリカは過去のワールドカップに8度出場している。予選で敗退したのは1995年大会と2023年大会の2回だけである。しかし、勝利数はまだ3勝にとどまっている。その中の1つは2003年の日本代表からの勝利だ。その頃は日本も弱かった。ラグビーワールドカップのアメリカ代表は、日本代表で言えば、2015年の劇的な大会以前と言える。
アメリカラグビーの強化を目指して、2017年にプロリーグであるメジャーリーグラグビー(MLR)が設立された。西と東の2つのカンファレンスに分かれて、アメリカとカナダから13チームが参加している。
6シーズン目の今シーズンは、先週末に終わったばかりで、マサチューセッツ州ウェイマスが本拠地のニューイングランド・フリージャックスが優勝している。この試合は、FOXが全国放送を行った。今シーズンの平均観客動員数2600人で、昨年より18%増加したと言う。試合は、デジタルネットワークで配信されているが、総数は未発表だが、今年の新規加入者数は70%増加の17万人を超えたと発表されている。ここからの推定では総数は24万人となる。
試合数や観客動員数やテレビの放送の状況を見ると、日本のプロリーグであるリーグワンのレベルまでもう少しと言うことだろうか。
日本のラグビーも、当時のプロリーグのトップリーグが誕生し、急速に力をつけて2015年大会と2019年大会では素晴らしい結果を残した。アメリカも2031年に向けてメジャーリーグラグビーで強化を進めていくのだろう。まだ8年ある。